豊田清ブログに見る衣笠祥雄の鉄人魂=山田隆道のブログに茶々々!
クローザーへの闘志をぎらつかせる豊田
ところが、05年オフにFAで巨人に移籍して以降、失礼ながら随分と影が薄くなった気がする。移籍当初は巨人でもクローザーを期待されていたが、寄る年波のせいか、失敗が目立つようになり、昨年からは守護神の座をクルーンに完全に明け渡してしまった。僕はそんな豊田の現在の心境を読み取るべく、彼のブログをチェックした。
最初に気になったのは「続・絶対的守護神への道」という公式サイトのタイトル。さらに4月13日の記事も見逃せない。リリーフが次々に登板し、クルーンにつなぐまでは絶対に打たれてはいけないという切迫した試合にリリーフ登板した豊田。その感想として「マウンドに上がる時、『オレしかいない! 2イニング抑える』と胸に誓いました」や「投げている最中は抑えをやってる気分でした!? 久しぶりの感覚!」などとつづっているのだ。
平たく言うと、豊田はまだまだあきらめていないのだ。決して現在のセットアッパーというポジションに甘んじているわけではなく、38歳になった今もなお、往時の輝きと絶対的守護神の座を取り戻そうと闘志をぎらつかせているように思えてならないのだ。
鉄人・衣笠氏と同じにおい
そう言えば、かつて世界の鉄人・衣笠祥雄氏が「引退する直前まで、明日になったら野球がもっとうまくなるかもしれないと思いながら練習していた」と語っていたことを思い出した。あれほどの大選手が普通なら衰えて当たり前の40歳になって、なおも「明日野球がうまくなるかもしれない」って野球少年みたいなキラキラしたせりふを普通に言っちゃうわけだ。けだし名言である。大げさかもしれないが、僕はそんな衣笠氏の鉄人魂と同じにおいを豊田にも感じた。
失礼を承知で乱暴な表現をすると、現在の巨人首脳陣が38歳の豊田に往時の働きを期待しているとは思えない。それがベテラン選手に対する常識的な評価だろう。しかし、そんな常識にとらわれず、豊田本人にはこれからも「絶対的守護神への道」をあきらめないでもらいたい。もしかすると、明日になったらボールがもっと速くなるかもしれない、制球がもっと良くなるかもしれない、変化球がもっと切れるかもしれないのだから。
※毎週、火曜日更新
<了>
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ