ウオッカ、歴史的勝利! 64年ぶり牝馬ダービー制覇だ=競馬=「歴史に残る馬」四位が殊勲のエスコート
ウオッカが牝馬として64年ぶりの歴史的ダービー勝利を飾った 【スポーツナビ】
一方、1番人気に支持された安藤勝己騎乗のフサイチホウオー(牡3=松田国厩舎)は直線の伸びを欠き7着。クラシック二冠制覇がかかっていた皐月賞馬ヴィクトリー(牡3=音無厩舎)は前走のような粘りを発揮できず9着に敗れた。
「歴史に残る馬に乗せてもらって本当にうれしい」
「歴史に残る馬に乗せてもらって本当にうれしい」と喜びを爆発させた四位 【スポーツナビ】
「強かったですね。歴史に残る馬に乗せていただいて、本当にうれしいです」
殊勲のエスコートを完ぺきに果たした四位が満面の笑顔を見せた。
レースは、先週のオークスで自身3勝目を飾り勢いに乗る福永祐一騎乗のアサクサキングスが先行。この人気薄の逃げ馬がペースを巧みに落とし、前半1000メートルの通過が60秒5、マイルの通過が1分37秒9というスローな流れの中を、ウオッカはちょうど中団のインで追走していた。
これまで1800メートル戦までしか経験がなかった馬だけに、初めての2400メートル戦での折り合いが心配されたが、「厩舎スタッフがしっかりと調教してくれていましたし、馬群の中で他の馬を前に置けば折り合ってくれると思っていました。よく我慢してくれましたね」と四位。
向こう正面でジョッキーとぴったり折り合った姿をスタンドで確認した角居調教師も、「これで落ち着いてくれた」と安心したという。
牡馬ナデ斬り! 上がり3F33秒0の豪脚炸裂
上がり3F33秒0の末脚を繰り出したウオッカ(黒帽、右から2頭目)が牡馬をナデ斬り! 【スポーツナビ】
だが、四位は「フサイチホウオーは特に意識しなかった。とにかくウオッカのベストのレースをしよう」とジッと我慢。この道中で我慢に我慢を重ね、タメにタメた末脚が最後の525メートルの直線で一気に爆発する。四位が振り返った。
「ずっと我慢した分、(手綱を)放したら一気に行ってくれましたね。桜花賞で2着に負けた分までお返ししてやろうと思って追いました。でも、やっぱり強い男馬が相手でしたから何かが飛んでくるんじゃないかと思って、最後は無我夢中でしたよ」
ラスト3ハロンは出走18頭中で最速の33秒0。並みいる牡馬陣は誰もこの紅一点の脚について行けない。馬群を突き抜けて豪快に馬場のド真ん中を伸びてくる姿は、第69代ダービー馬の父タニノギムレットを彷彿とさせるものだった。
「ギムレットにも乗せていただいたんですけど、大きなレースで結果が出せなくて(02年皐月賞3着)……、でも、同じオーナーの馬に乗せてもらって、こうしてダービーを勝たせてもらって本当にうれしいですね」
4月の桜花賞と、5年前の皐月賞と――四位が同じ“タニノ”の勝負服で味わった、ビッグレースでの2度の悔しさを晴らす快勝でもあった。