【ボクシング】三浦、米国のリングで存在感を示すか!? 次期挑戦権を賭け強打者ローマンと激突
現地時間28日に、ミゲール・ローマンとの一戦に臨む三浦隆司(左) 【(C)NAOKI FUKUDA】
この日はダブル・メインイベントとしてフランシスコ・バルガス(32=メキシコ)対ミゲール・ベルチェルト(25=メキシコ)のWBCタイトルマッチも組まれている。三浦が勝てばバルガス対ベルチェルトの勝者に挑戦する権利を手にすることになる。風雲急を告げるスーパー・フェザー級トップ戦線。三浦は異国で勝者コールを受けることができるのか。
ダブルメインは激しい打撃戦を予想
2013年4月から15年11月までWBC王座を4度防衛した実績を持つサウスポーの三浦が35戦30勝(23KO)3敗2分、ローマンが67戦56勝(43KO)11敗で、KO率は三浦が66パーセント、ローマンも64パーセントとほぼ互角だ。また、三浦から王座を奪ったバルガスが25戦23勝(17KO)2分、WBOの暫定王者でもあるベルチェルトは31戦30勝(27KO)1敗で、こちらはKO率68パーセントのバルガスを87パーセントのベルチェルトが大きく上回っている。こうしたデータを並べるだけでも興味深いカードであることが分かるだろう。
WBCの挑戦者決定戦として行われる三浦対ローマンは、両者が正面から激突する熾烈(しれつ)な戦いになりそうだ。三浦にはサウスポーというアドバンテージに加え「ボンバー・レフト」と称される左ストレートと右フックという絶対的な切り札があり、その分だけ有利といえる。「ローマンはプレッシャーをかけて前に出てくるファイター。自分とは噛み合うと思う。ガードに気をつけ、ボディから崩していきたい」と策の一端を明かしている。
ただ、小柄な連打型のローマンが下から押し込むように入ってくる点には注意を払いたい。腰高になって受けに回るようだと前王者は厳しい戦いを強いられそうだ。三浦が上体の振りと立ち位置を確認しながら戦うことができればKO勝ちが見えてくるだろう。
WBO王者ロマチェンコはコラレスとの統一戦も
現王者バルガス(左)は防衛戦となるが、オッズは3対2でバルガス有利と出ている 【(C)NAOKI FUKUDA】
バルガスが接近を図り、ベルチェルトが迎え撃つパターンになりそうだが、ラウンドを重ねるごとに距離が縮まり、結局は打撃戦に突入するのではないだろうか。オッズは3対2でバルガス有利と出ている。
現在、スーパー・フェザー級はWBO王者のワシル・ロマチェンコ(28=ウクライナ)が絶対的な強さ、巧さを発揮してトップを走っている。そのロマチェンコには、昨年の大晦日に内山高志(37=ワタナベ)を返り討ちにしたWBAスーパー王者のジェスレル・コラレス(25=パナマ)と統一戦を行うプランも出ており、動向が注目されている。
三浦対ローマン、バルガス対ベルチェルトはそんな状況下で行われるわけだ。三浦は「ボンバー・レフト」を炸裂させ、米国のリングで存在感を示すことができるか。
Written by ボクシングライター原功
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<WBC世界S・フェザー級挑戦者決定戦>
三浦隆司(日本/帝拳)/前WBC世界S・フェザー級チャンピオン
ミゲール・ローマン(メキシコ)/WBC世界S・フェザー級2位
<WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ>
フランシスコ・バルガス(メキシコ)/WBC世界S・フェザー級チャンピオン
ミゲール・ベルチェルト(メキシコ)/WBO暫定世界S・フェザー級チャンピオン
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