サンウルブズ元年を支えたボランティア 参戦2年目、そしてW杯への課題は?
2016年シーズンを終え、ボランティア活動でも収穫と課題がサンウルブズには見えた 【写真は共同】
97%が来年も参加したいと回答
講演を行った眞柄氏 【スポーツナビ】
これを参考に眞柄氏もサンウルブズのボランティア向けの資料を作成。さらに説明会ではラグビー憲章の理念や、交通費なし、食事なし、試合観戦は不可能、男性は茶髪禁止、女性の過度な化粧を禁じるなど、一見すると厳しい行動規範を作成しボランティアに伝えた。
しかし実際に1試合あたり約130人、全5試合でのべ700人ほどのボランティアが活動すると、彼らは業務を少しずつ改善しながら取り組み、楽しんでボランティア活動を行ったという。そして、シーズン終了後のアンケートではじつに97%のボランティアが「来年も取り組みたい」と回答。「日本初上陸を果たしたスーパーラグビーに関わることへの喜びが大きかったのでは?」と眞柄氏は分析した。
語学、ホスピタリティに課題
講演を行った室口氏 【スポーツナビ】
また、ボランティアに対するホスピタリティにも課題が残った。7月2日にホーム最終戦が行われたが、その時期は高温多湿。テントの中にあるボランティアの休憩所には扇風機がなく、用意をしたところ、今度は電源の用意がないという想定外のことも起こった。
来たる17年シーズンはどのようなボランティア運営になるのか? 新シーズンの秩父宮ラグビー場での開催は4試合。これに加えて、外苑前などのスタジアム周辺での地域貢献活動も予定されている。16年シーズンの課題として、ボランティアに応募する人は多くがラグビーファンにもかかわらず、試合を見ることができないという点があった。この点については、試合前はボランティアとして活動を行い、試合中はチケットで試合観戦できるようなプランを検討している、と室口氏は明らかにした。