青学・原監督「東京五輪へ向けて成長を」 箱根駅伝出場の21チーム監督コメント

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全出場チームの監督がそろい、レースへの抱負を述べた 【スポーツナビ】

 来年1月2、3日に開催される第93回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に出場する全21チームのエントリー選手が10日に発表され、各校の監督が目標や意気込みを語った。

 優勝候補筆頭となる青山学院大の原晋監督は「16人エントリーでも5000メートル(上位)10人平均では13分49秒、1万メートルでは28分41秒と、実業団並みに成長することができました。トップチームとして3冠3連覇という目標もありますが、2020年東京五輪に向け、間違いなくこの若い世代が日本代表の貴重な戦力になると思います。現場を預かった責任者として、この箱根駅伝を通して成長させていきたい」と大学駅伝の先にある目標についても語った。

 また例年、チームの作戦を掲げている原監督だが、「ワクワク大作戦」「ハッピー大作戦」に続く今回の作戦名は「サンキュー大作戦」。「3連覇を狙っており、3冠でもある。9度目のチャレンジなので、皆さんにありがとうを言いたい」と理由を説明し、3冠3連覇の快挙に挑むと話した。

 以下、記者会見における各チーム監督などのコメント。

青山学院大・原監督「実業団並みに成長」

青山学院大・原監督 【スポーツナビ】

青山学院大・原晋監督 本学は今年で9年連続の本大会出場となりました。前回、史上最強軍団と称して、おかげ様で39年ぶりとなる完全優勝をさせていただきました。その主力となる久保田(和真)、神野(大地)が抜けた後、青山学院は戦力が落ちるのではないかと言う方が数多くいたと思いますが、青山学院には『青トレ』や『勝ち続ける理由』といった書籍にも書いておりますように、様々なノウハウが13年間の中で蓄積され、多くの高校生たちが青山学院の門をたたき、ほぼすべてが自己記録を更新しています。

 本日の16人エントリーでも5000メートル(上位)10人平均では13分49秒、1万メートルでは28分41秒と、実業団並みに成長することができました。トップチームとして3冠3連覇という目標もありますが、2020年東京五輪に向けて、この若い世代が日本代表の貴重な戦力になると思いますので、現場を預かる責任者として東京五輪に向けて、この箱根駅伝を通して成長させていきたいと思っています。

東洋大の酒井監督 【スポーツナビ】

東洋大・酒井俊幸監督 チームの特徴や強みですが、本年度も4年生が多くエントリーとなりました。昨年度も8人がエントリーし、今回も6人がエントリーという形です。やはり4年生になって力をつけて、自覚を持ってやるというのは、ここ数年の東洋大のスタイルになっています。チーム一体となって攻めの走りができるチーム作りも、出雲、全日本と比較すると、できてきています。
 順位に関しては、過去に優勝もしています。前々回が3位、前回も2位となっていますので、最低でも3位以内。やはり王座奪還を狙っていきます。
駒澤大・大八木弘明監督 今年のチームは4年生、3年生を中心に、しっかりやってきました。それと2年生が今回も多くいます。出雲で5位、全日本で4位ときています。全日本を終えてから、中堅どころの2年生、3年生がしっかり(した状態に)なってくれています。箱根に向けて順調な仕上がりができているので、少しでも優勝に近い戦いをしていきたいです。特に今年は、2年生あたりを育てながら、次回にもつながる戦いをしていきたいと思っています。

早稲田大の相楽監督 【スポーツナビ】

早稲田大・相楽豊監督 今年のチームの特徴はエントリーメンバー16人中7人が4年生ということで、力もそうですし、普段の練習、生活から引っ張っている4年生中心のチームです。その中にあって、推薦の選手、一般入試で入ってきた選手が、コツコツ力を蓄えて、上級生になって力をつけてきていますので、スポーツ推薦と一般入試の生徒が融合した非常に早稲田らしいチームに仕上がっています。強みとしても、時間をかけてコツコツと積み上げてきた力があるので、ハーフマラソンのタイムが例年になく良い持ちタイムを持っている選手がそろっていて、3年生を合わせて上級生が11人いますが、上級生を中心に長い距離に対応できるチームに仕上がっています。

 目標順位は、2011年の優勝以降、箱根に関しては、5、4、5、4、5というスパイラルにはまっています。(今大会)まずは3位以内に確実に入ることを狙いながら、チームの年間目標が3大駅伝で3位以内に入ること、そのうち1つは優勝と掲げてやってきたなか、まだ出雲、全日本と優勝に手が届いていないので、しっかり優勝にチャレンジしたいと思います。

東海大・両角監督「力どおりの選考で1年生が半数」

東海大・両角監督 【スポーツナビ】

東海大・両角速監督 箱根駅伝の成績においては6位、5位と順位を上げてきておりますので、今回は3位という目標、メダル獲得を目指して変わらずやっていきたいと思います。本年度は出雲駅伝で3位、全日本大学駅伝では少しチーム内に感染症が蔓延(まんえん)してしまって、7位という結果に終わってしまいましたが、そちらの方もまったく心配ないので、3位という目標に向かって調整しています。

 チームの特徴としては、エントリーの半数を1年生が占めました。力どおりのメンバー選考であったので、あえて1年生をたくさん選んだというわけではないのですが、フレッシュな走りに期待したいなと思います。
順天堂大・長門俊介監督 今年のチームの特徴は、前回大会6位になったメンバーが7人残っていますので、箱根駅伝の戦い方としては、正攻法で戦っていきたい。チームスローガンである「下克上」というところで、チーム内での7人のメンバーを引きずり下ろすぞという競争がありました。今日のエントリー発表でもぎりぎりまで迷うぐらい、皆の状態が良くなっていると感じています。4年生がコツコツと力をつけてきた学年なので、それを下級生たちが見て、自分たちもコツコツやれば箱根駅伝で成果が出るんだというところを下級生たちにもしっかり反映してきたのかなと思います。

 「下克上」というのは、僕自身のスローガンでもあるので、初めての箱根ということで、他の大学の監督たちに「下克上」できればいいかなと思っています。
日本体育大・渡邉正昭監督 今年のチームはほぼ全員が昨年以上のベスト記録を出していまして、特に上級生はベスト記録を大幅に上げています。上級生が中心になってミーティングをやったり、練習の中でも上級生が声を掛けたりと、上級生の頑張りがチーム全体に良い影響を与えているのではないかと思います。特に強みはありませんが、全員が力をつけているチームだと思います。

 目標の順位は、3位争いに加わらせていただければと思っています。

山梨学院大の上田監督 【スポーツナビ】

山梨学院大・上田誠仁監督 チーム状況を語る前に、みなさんが平均タイムを言っていますが、ざっと見ると(1万メートルで)28分台を持っている選手が全体で122人いて、27分台が2人います。エントリーしている3割弱は28分台で、10番のシードを争うチームでも29分台1桁の平均タイムを持っているという非常にレベルの高い箱根駅伝になっているなという印象です。

 その中で、前回の青山学院大の優勝のように、本当に(1キロを)3分を割るペースでガンガン飛ばす箱根駅伝になっていると。そこで学生たちに伝えたのは、金魚鉢の外から金魚を眺めると、どうしても大きく見えてしまい「こりゃかなわない」と思ってします。そうではなく、思い切ってその中に飛び込んで、その中に入って、その気持ちになってみれば、もっともっといけるんじゃないかと。そういう気持ちの中でスタートを切ったチームです。

 その中で選手たちが選んだのは、「勁草(けいそう)の如く」というチームスローガンです。私が指導上、一番にすえている言葉が「疾風に勁草を知る」という言葉で、31年間やってきた中で、スローガンに選んだチームでした。その気持ちにしっかりと私も指導者として応えなければいけないと思って、彼らには目的を持ってしっかりとした行動を取らせ、いかに効果があるかしっかり考察させる。覚悟を持ってそれを継続させるという観点でともに今日まで歩んできました。

 チーム状況としては、良い球体になってきたなと思います。ピストルがなったら思い切って、目標に向かってスローインしていきたいなと、そんな勢いのあるレースをしたいと思います。

 目標は「3大駅伝優勝」を新チームが掲げました。根拠や裏づけなどはありませんが、やはり「勁草の如く」を目指すのであれば、そういった気持ちで取り組んでいこうではないかと、日々のトレーニングの中で裏づけを取っていこうではないかと。それがどのような形になるかは分かりませんが、しっかりチャレンジしていきたいと思います。
中央学院大・川崎勇二監督 チームの特徴、強みですが、満遍なく1年生から4年生までエントリーすることができました。前回まではエースという存在がいましたが、今回はいません。そういう意味での強みはないのですが、今年1年間、卒なく、ミスなくやってきました。おかげさまで3大駅伝の出雲、全日本では、私の予想を上回る結果が出てきています。ただ箱根駅伝については、まったく別物だと思っています。私も長くこの仕事をしていて、未だかつて3年連続でシードを取ったことがありません。今回は何としてでも、どんな状況になってもシード権を獲得したいと思います。

 目標は学生が決めているので、学生は箱根駅伝5位を目標にやっていますが、そんなに甘いものでないと、長くやっていれば分かります。確実に3年連続のシードを取りたいと思っています。
帝京大・中野孝行監督 本学のエントリー分布を見ると、4年生が5人、3年生が1人、2年生、1年生がそれぞれ5人です。スマートな体型かなと思います。4年生が頭で、首が1人、上半身、下半身が5人ずつで、みなさんにイメージしていただけると分かりやすいと思います。

 特徴としては、1万メートルの平均タイムを言われるとものすごい落ち込んで、今晩は枕を濡らすのかなと思うんですけど、「鰻丼」に例えて話をしますと、ここ最近、鰻自体が減ってきて高騰しております。ただうちは長年、付け足し付け足しした甘辛いタレと、1年生である小粒ではあるけれどもピリリと辛いスパイスがあります。そのようなチームでいきたいと思います。

 強みとしては、下級生が10人ということで、本学らしくありません。本来なら頭でっかちで足が細くて上が大きいのですが、今回は1、2年生を中心にいく形になると思っています。この3週間で「鰻丼」プラス「肝吸い」を追加で付け足すことができるようなコンディションに仕上げたいと思います。

 順位に関しては、昨年はシードが取れませんでした。今回はシードが取れて(この会見でも)前列と居心地が良いので、より(上位校の監督が座る)右側の方へ行きたいと思います。

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