バルセロナが抱える3つの不安要素 クラシコは優勝の行方を占う大一番に
スタイルを見失いつつあるバルセロナ
現在のバルセロナはメッシ(右)の一挙手一投足に左右され、スアレス(左)の驚異的な得点力にも依存しすぎている 【写真:ロイター/アフロ】
アウェーのアノエタでレアル・ソシエダに圧倒された第13節(結果は1−1の引き分け)のようなプレーを繰り返すようであれば、バルセロナがレアル・マドリーに勝てる可能性はごくわずかだろう。問題は何年も未勝利が続いている彼の地への苦手意識だけではない。
現在のバルセロナはリオネル・メッシの一挙手一投足に左右され、もしくはライバルのミスを逃さずゴールを生み出してしまうルイス・スアレスの驚異的な得点力に、無条件に依存しすぎてしまっているのだ。
バルセロナが前述のレアル・ソシエダ戦で見せたパフォーマンスからは、少なくとも3つの重要な問題点を挙げることができる。
1つは、負傷離脱中のアンドレス・イニエスタがバルセロナのプレーの根本を支える選手であること。2つ目は、攻撃が手詰まりに陥った際に選手たちに打開策を提供できるようなシステムをルイス・エンリケ監督が見いだせていないこと。そして3つ目は、試合を見るたびに大きな喜びを与えてくれた黄金期とはかけ離れたチームになってしまったことだ。
イニエスタの不在が大きく響く
イニエスタ不在の影響が大きいバルセロナ。クラシコでもイニエスタの復帰は難しいだろう 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
現在のバルセロナは前線のメッシ、スアレス、ネイマールによる南米トリオが中心のチームであり、以前より中央からの攻撃を仕掛けるスタイルに変わってきてはいる。それでも、イニエスタの不在時はメッシがより低い位置でプレーしながらネイマールやスアレスにパスを供給する役割を求められるため、相手ゴールに近い位置で自由に攻撃を組み立て、チャンスメークやフィニッシュに絡む機会が減ってしまう。
レアル・ソシエダ戦ではイニエスタと同レベルのMFはもちろん、彼と同様の役割をこなせる代役がいないことがあらためて露呈された。少なくとも現時点では、この試合で先発したアンドレ・ゴメスよりアルダ・トゥランやラフィーニャの方が適任であることは分かった。より高い位置でセカンドストライカーとしてもプレーできるアンドレ・ゴメスは、今季ここまでインサイドMFに加え、セルヒオ・ブスケッツが務める中盤の底でも起用されている。