キタサン武豊VS.世界の名手ムーア 陣営の本音も満載!ジャパンカップ座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 今週は秋開催の掉尾を飾るジャパンカップ。新旧のクラシックホースに昨年のグランプリホース、ここでGI初制覇を目指す馬も揃って、上位は拮抗ムードだ。そして、今年は3頭にとどまった外国からの参戦馬にチャンスはあるのか。優馬TM(トラックマン)陣の答えは如何に。

菊花賞以来5度目のリアル対キタサン 勝つのはどちら?

鞍上武豊でGI3勝目を狙うキタサンブラック(左白帽)(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「今年は国内でGIを勝っている馬が4頭で、ちょっと淋しい感も受ける顔ぶれだが、その分だけ多くの馬にチャンスがあると見ていいんだろうな」

武井「僕の◎も“国内GI未勝利”のリアルスティールとしたわけですが、昨年はクラシックを勝てなかったとはいえ、キタサンブラックには2勝2敗と互角の戦績ですし、直近で先着を許した昨年の菊花賞にしても直線での捌きの差だけだったように思えますね。春にドバイで待望のGI制覇を成し遂げたあと、安田記念こそ折り合いを欠いて大敗しましたが、前走の天皇賞がぶっつけで2着と、改めて力は示しています。叩いての上積みに加え、距離延長も今なら全く問題はないでしょう」

坂倉「夏負けが尾を引いて天皇賞は明らかに完調手前でしたからね。それでいての2着には、僕も驚かされましたよ。今回は、ドバイで勝利に導いたムーア騎手というのも魅力です」

伊利「近年の好走馬の特徴として、前走が天皇賞、ディープインパクト産駒、鋭い決め手を発揮する馬、という3つの項目が挙げられます。このうち“前走で上がり最速をマークしていたディープインパクト産駒”に絞り込むと、13年2着デニムアンドルビー、14年3着スピルバーグ、15年1着ショウナンパンドラと、該当3頭が全て馬券に絡んでいるんです。となれば、今年は前走の天皇賞で上がり最速だったリアルスティールの出番ですね」

デスク「ただ、ドバイでGIを勝ったとはいえ、安田記念で見せたような気性面の問題も含めて、今ひとつ信頼感に欠けるイメージもあるんだよな」

細川「その気性についてですが、前走は装鞍所でひと暴れしたことで、逆にパドックでは落ち着いていて、レースでも好結果を生んだようです。今回も、ゲートに入るまでのテンションが鍵となりますが…。ただ、状態に関しては、調教でも四肢の運びが良くなって、明らかに好調時のもの。相当な上積みを見込んでいいと思いますよ」

桜井「そのリアルスティールとの対決は菊花賞以来となるキタサンブラックですが、こちらはその後も正攻法での安定感あるレースぶりを続けてますから、軸としての信頼度はかなり高いと思います。自分のペースで運べる最内枠をゲットできたのもプラスでしょうね」

小野智「全12戦で馬券圏外となったのはダービーだけですからね。この堅実さには頭が下がりますよ。そのダービー当時から大きく成長を遂げているわけですし、春の天皇賞を含めて過去3戦3勝の1番枠を引いたという点でも、この馬は持ってますよね。逃げ馬に厳しいデータがあるとはいえ、ここは名手のペース配分に期待します」

中邑キタサンブラックの前走は、久々にハナを譲って2番手から運びましたが、手応え十分に抜け出して着差以上に余裕を感じさせる勝利。その前走がデビュー以来最高体重だったことを考えても、まだ成長し続けている印象を受けましたよ」

デスク「ただ、GI2勝の舞台である直線平坦の京都がベストであることは確かだよな。ダービー大敗の東京2400mというのも、やっぱり気になるところだが」

「陣営は“鍛えるためのハードなトレーニングを課したことで、ダービー当時はピークを過ぎていたかも。有馬の時もそうだったかな”と振り返っています。その当時から“古馬になってから”と、何度も聞かされてましたし、そのハードな調教を今はケロッとしてこなせるようになり、“ピークを越えたか”という心配も消えたそうです。状態面に関しては“胸を張って出走できる”と、上々の感触でしたよ」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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