キタサン武豊VS.世界の名手ムーア 陣営の本音も満載!ジャパンカップ座談会

競馬専門紙「優馬」

復活のGPホースに 成長が目覚しい3歳勢も牙を研ぐ

9月のオールカマーを勝ってここに駒を進めてきたゴールドアクター(左黄帽)(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

守屋「ただ、Cコースに替わったここ2週を見ても、雨で水分を含む馬場になると逃げ馬がほとんど苦戦しているんですよね。単騎でのマイペース逃げが濃厚とはいえ、キタサンブラックにとっては厳しい状況です。対してゴールドアクターは、昨年のアルゼンチン共和国杯を重馬場で勝ったように、渋った馬場は全く苦にしませんし、同じ舞台のオクトーバーSで上がり33秒4を使って3番手からアッサリ抜け出したように、瞬発力勝負になっても大丈夫の馬です」

清野「智美さんも懸念していたように、このレースでは過去10年で馬券対象なし、と馬場状態を問わず、逃げ馬が苦戦してますからね。それでも、キタサンのスロー逃げなら、それを見ながら早目に動ける馬が有利になるはずで、ゴールドアクターにとっては格好の展開でしょうね」

小島「春の天皇賞については敗因もハッキリしているわけですし、この秋は早めに決めていたローテーション通りに来れていることにも好感が持てますね。7分程度のデキと思われた前走のオールカマーを着差以上の内容で完勝し、叩いて型通りに体調もアップしているんですから、僕もゴールドアクターに逆らえませんね」

大江原「この秋のゴールドアクターは、無理使いをせずに余裕を持たせたローテーションだよな。春の天皇賞とは違って、精神的にも落ち着いてレースに臨めると思うぞ」

西田「イレ込みがキツかった天皇賞をふまえて、前走はパドックの前からホライゾネットを着用したものです。今回も使うかどうかは未定だそうですが、陣営は“落ち着きがあって程良く気合も乗っている今なら必要ないかも”と、メンタル面の自信を持っている様子でした。もちろん、良化途上の前走とは見違えるデキですし、春と比べても全体的に筋肉が付き、丸みも出てきて、更なる成長を見せています。怖いのは、キレ味のある差し馬でしょうが、適度に渋った馬場を味方に凌いでくれるのではないでしょうか」

小桧山「ただ、キタサンやゴールドのように、前走GIIから参戦した馬は、このところ来てないんだよな。伊利っぽいデータ攻めだけど…。で、好走例の多い天皇賞組が2頭しかいないことを考えれば、今年は3歳勢の出番じゃないか? 中でもレインボーラインは、モーリスに迫った札幌記念で渋った馬場の適性を示しているし、菊花賞2着なら距離もOK。奥手の血と小さな体は、父ステイゴールドから受け継いでいると思えるし、春とは雲泥の差とも言える成長力に賭けたいな」

佐藤直「キタサンのスロー逃げで好位勢有利、というのは少し短絡的な考えだよな。折り合い重視のリアルにしても、ムーア騎乗ならドバイの時にように早目にプレッシャーをかけて行くはずだし、後半がかなり速い流れになるはず。そうなると、スタミナがあって、ラストの脚がいい馬。俺も、レインボーラインの出番だと思うぞ」

広田レインボーラインは、いつも人気以上に走って、いい意味で期待を裏切ってくれる馬ですが、札幌記念上位組のその後の活躍を考えても、ここでも力はヒケを取らないはずです。この程度の人気でルメール騎手が気楽に乗れる時は、本当に怖いですよね」

田崎「僕は同じ3歳馬でも、ディーマジェスティを見直したいですね。菊花賞の明確な敗因はわかりませんが、世代屈指と言える実力評価をあの一戦で落とすわけにはいきませんよ。古馬との斤量差を考えても、十分勝負になると思います」

須藤ディーマジェスティの菊花賞については、僕は距離が長かったんじゃないかと見ています。ここにサトノダイヤモンドが出走していれば、相当な人気になったと思いますが、能力はサトノと互角のレベルですし、参戦を決めたからには菊の疲れもないと判断できます。3着だったダービーぐらい走れば勝負になるんじゃないかと」

加茂「菊花賞では、仕掛けられてスッと反応できんかったあたり、敗因は馬体重が示すとおりの太目残りやないかと思いますわ。今回もチェックすべきは馬体重。絞れていれば、古馬相手でもヒケは取らんやろな」

小島「皆さんから色々な意見が出たディーマジェスティの菊花賞の敗因ですが、陣営に聞くと“一番の敗因は勝った馬が強かったこと”と、少々ズッコケ気味の答えが返ってきました。この中間はうまくケアができているので、状態自体はキープできていますが、ここか有馬記念かで出走を迷っていたあたり、本質的な適性を陣営がまだ掴んでいない感を受けます。僕個人としては、皐月賞のパフォーマンスから、有馬の方が弾けるような気もしますし、取材を通じて“ドンと来い”的な感じもなかったんですよね。目一杯の仕上げだった菊花賞から、お釣りもないのではないかと…」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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