今季無敗、レアル・マドリー好調の秘訣 確固たる自信とジダンがもたらす落ち着き
不敗記録を伸ばして首位をキープ
今季いまだ無敗のまま好調を維持するレアル・マドリー 【Real Madrid via Getty Images】
ルイス・エンリケ率いるバルセロナが数カ月前に築いた国内最長記録の39戦不敗にはまだ遠いが、今季のレアル・マドリーはオランダ人監督レオ・ベーンハッカーの指揮下で1988−89シーズンに樹立したクラブ記録の34戦不敗に着々と近づいている。
30年近く前との大きな違いは、現在のチームが当時は成し得なかったCL制覇を昨季に実現していることだ。ラファエル・ベニテス前監督が解任され、一部の選手が監督を支持していないと考えられていた当時、後任に就いたジネディーヌ・ジダンがあれほど早く危機を乗り越えることができると考えた者は多くなかった。シーズン序盤につまずいたにもかかわらず、その後チームは彼の指揮下でCLを制するだけでなく、最終的にはリーガ・エスパニョーラでも首位バルセロナに勝ち点1差まで肉薄した。
以降、現在に至るまで無敗を貫いているレアル・マドリーだが、内容的には常にハイレベルなプレーを維持しているわけでも、毎試合90分間パフォーマンスが安定しているわけでもない。むしろ前週末のアラベス戦でもそうだったように、守備面で重要なほころびや油断を度々見せているくらいだ。
ゴールをこじ開けてしまう底知れぬ得点力
数少ないチャンスを生かしてゴールを決めるモラタ 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】
リーガのトップ3の得失点差は第10節終了時点で見事なまでに拮抗(きっこう)している(レアル・マドリーとバルセロナは+18、アトレティコ・マドリーは+19)。だが執拗に攻め続けなくともゴールをこじ開けることができるレアル・マドリーは、明らかに他の2チームほどゴールを奪うための労力を必要としていない。
さらにレアル・マドリーは、不動のトリデンテ(ギャレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウドの3トップ)に加え、マルコ・アセンシオ、アルバロ・モラタ、ルーカス・バスケスら、他チームがうらやむほど贅沢なバックアッパーをベンチに擁している。アラベス戦で3点目を決めたモラタのように、彼らは多くの場合、限られたプレー時間の中で訪れる数少ないチャンスを生かしてゴールを生み出している。