地元を味方につけた「優良クラブ」 B1東地区 千葉ジェッツ編

『hangtime』編集部

167センチのポイントガード、富樫勇樹の存在が楽しみだ 【写真:アフロスポーツ】

 9月22日に開幕を迎える男子プロバスケットボールの新リーグ「Bリーグ」。B1に所属する18クラブをカウントダウン方式で紹介していく。第5回はB1東地区の千葉ジェッツだ。

bjリーグとNBLのどちらも知るクラブ

 昨シーズンまでの2リーグ並列が問題の1つとされた日本バスケ界。そうなってしまったのにはいくつかの理由があるが、なにはともあれ新しい日本のプロバスケットボールリーグ、Bリーグがスタートするのは喜ばしい。

 この千葉ジェッツにはユニークな沿革がある。というのも、チームのスタートは2011−12シーズンからで、当時加入したのはbjリーグだった。12−13シーズンもbjリーグで戦ったものの、その次のシーズンからはNBLへと移った。経営難がささやかれる中、フロントの英断が活路を開き、Bリーグ参入に向けては優良クラブとの評価を得るまでになった。昨シーズンは集客のために数々のキャンペーンを企画し、6000人を超える集客も実現し、アリーナは超満員の盛り上がりを見せた。

 当時、川淵三郎チェアマンがBリーグ入りの条件として強く主張したのが「5000人のホームアリーナ」「ホームアリーナでホームゲーム開催8割以上」「地方協会、地元行政との連携」。高いと思われたこれらのハードルを速やかにすべてクリアしたのが千葉だった。この流れは今シーズンも継続中で、特に地方協会・地元行政との結びつきはますます強くなったようだ。こうなると応援する側にも力が入るのは当然のこと。われらがプロバスケチームを応援しよう、そんな機運が地元で高まってくるのは当然だ。

NBA入りへ直前まで迫った若きスター、富樫勇樹

 チームのバックグランドは先に述べたとおり。だが、肝心なのはチームの魅力であり、その実力だ。魅力という意味ではヤングスター、富樫勇樹の存在が楽しみだ。中学で日本一になると高校から渡米し、NBA入りを目指した逸材。14−15シーズンにはNBADリーグ(NBAの下部リーグ)でテキサス・レジェンズの一員としてプレーした。日本人2人目のNBA入りが期待されたものの果たせず、シーズン途中で千葉ジェッツ入りし、今シーズンも契約を継続する。日本代表にも名を連ねて国際試合を経験するなど、20年東京五輪世代の1人である。

 167センチの富樫のポジションはポイントガード。メディアへの露出が増えるにつれ、人気はますます高まっている。今シーズンの活躍次第では、日本バスケ界の新たなアイコンになるかもしれない。そういえば、スマートフォンのCMに出演していたのは記憶に新しい。

 とにかく百聞は一見にしかず。視野の広さが分かる彼のプレーを目の当たりにすると、アリーナ全体がハッと息をのみ、その直後歓声へと変わる。小柄な彼が大男の間をすり抜けながらパスやシュートを決めるさまは見ていて爽快さを覚えるほどだ。

 他には先輩ポイントガードの西村文男がおすすめ。ひょうひょうとしたプレーは気負いがなく、意表を突くプレーが見もの。ファッションに造詣が深く、アパレルデザインに興味津々の彼は、チームグッズの制作に関わることもあると聞く。その他にも日本代表の小野龍猛や新加入の元NBAプレーヤー、ヒルトン・アームストロングも要チェックだ。

ホームアリーナに広がる“ジェッツワールド”

 ホームの「船橋アリーナ」は最寄りの東葉高速鉄道「船橋日大前」駅から徒歩10分以内(住宅地を少し通るのでマナーを守りましょう)。「船橋日大前」駅までの所要時間はさておき、アリーナへ向かううちに気持ちは高ぶってくる。アリーナへ着けばそこは“ジェッツワールド”。ブースターを飽きさせない演出があり、エンターテインメントも多彩だ。子どもが遊べるスペースもあり、親子連れにも優しい。選手との距離が近く、精いっぱい声援を送れば、選手のパフォーマンスも上がること間違いなし。ホームアリーナでライブ観戦し、一体感を味わえば「リピーター」に一歩近づいた証し。このようなホームアリーナは他にもあるので、ぜひ一度どうぞ。

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(グラフィックデザイン:相河俊介)

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B.LEAGUEを中心に、AKATSUKI FIVE(日本代表)やストリートボールまで、日本のバスケットボールの魅力を、わかりやすい記事とデザイン性の高い誌面でお届けする、新しいバスケットボール専門誌。Issueごとに独自の視点で特集を組み、興味深い企画で構成。

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