福原「やはり神様はいるんだな」 銅メダル・卓球女子代表のコメント
2大会連続のメダルとなる銅メダル獲得を決め、抱き合って喜ぶ卓球女子日本代表チーム 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
第1試合で福原愛(ANA)が敗れた日本は、続く第2試合で石川佳純(全農)がフェン・ティアンウェイとのエース対決をストレートで制し、流れを呼び寄せる。続くダブルス戦は接戦が続いたが、勝負どころで福原、伊藤美誠(スターツ)ペアが打ち勝つと、第4試合は伊藤が、世界ランキングで格上のフェン相手にストレート勝ちを収め、日本が3勝1敗でシンガポールを破った。
以下は試合後の福原、石川、伊藤のコメント。
福原、エッジボールの不運は「今日で全部返ってきた」
試合後、涙が止まらなかった福原愛 【写真:青木紘二/アフロスポーツ】
私は今まで五輪を3大会経験させていただいていて、メダルを取れた五輪と取れなかった五輪の差を痛いほど分かっているので、まずはメダルを死守することができて、本当にほっとしていますし、感謝しています。
――試合が終わった瞬間、石川選手と抱き合って、励まされているように見えたが?
涙が止まらなくて。写真撮影とかもできないくらい、泣いてしまいました。
――その涙はどのような思いから出てきたものか?
これまでの五輪のなかで一番苦しい4年間、一番苦しい五輪でした。今回は最年長、キャプテンということで、負けても勝っても私が動じたらダメだと毎日強く思っていたので、絶対に泣かないって頑張っていたんですけど、最後勝って、我慢できなかったです。
――これまでいろいろな涙を見せてきたが、勝って喜ぶ涙は今までに経験はあるか?
はい、何度かあります。でも、勝って涙が止まらなくなってしまったのは初めてです。
――涙はどれくらいで止まった?
(試合後に取材を受ける)ミックスゾーンがけっこう長くて、その途中くらいですかね(笑)。
――準決勝ドイツ戦の敗戦から、この2日間をどう過ごしてきた?
ものすごく悔いの残る試合をしてしまって、ずっと苦しかったですし、この2日間ずっと考えていました。気持ちを切り替えたと言っても、最後勝っていればという思いがやっぱりずっとあって。でも、もしこの気持ちを引きずってメダルを逃したら、私や佳純ちゃんはもちろん、美誠に4年間しこりが絶対に残ると思っていました。(それが)銅メダルを取ったら少しはマシになるんじゃないかなと、絶対にメダルを取るという強い気持ちで臨みました。
――第1試合を振り返ってどう感じる?
トップバッターということは、チームの雰囲気を作らなければいけないとても大事な試合だと思うんですけど、結果的に私が負けてしまって、チームを波に乗せることができなくて、本当に申し訳なかったです。
ダブルスを勝った時も、私が(第1試合で)勝っていたら、という思いがすごくあって悔しかったんですけど、佳純ちゃんと美誠がしっかりと勝利をもぎ取ってくれたので、本当に感謝しています。
――石川選手が「今回はチームワークの勝利だ」と語っていたが、4年前とどう違った?
4年前は日本卓球界にとって初めてのメダルでしたし、勢いに乗って、そのまま突っ走って取れたメダルだったと思うんです。今回のリオは、4年前のロンドンからもらうプレッシャーというものがすごくありました。そういった中でまたチーム一丸となって、苦しい試合ばかりだったんですけど、一つ一つ乗り越えながら、どんどんどんどん良いチームになっていったなと思っています。
――キャプテンとしてこのチームをどう引っ張っていこうと考えていた?
キャプテンらしいことができたのかは、全く分からないんですけど……ごめんなさい(涙で声を詰まらせる)。でも、常に2人が試合だけに集中できるように、最高のプレーができるように、私が気付いたことやできることは全てやったつもりです。
――今大会ここまでエッジボールに泣かされてきたが、今日はダブルス戦第2ゲームのエッジボールで流れをつかんだ。
シングルスも、団体戦のドイツ戦もそうですし、今日の私のユ・モンユとの(第1)試合もそういったボールがすごく多かったんですが、ダブルスと美誠のシングルスで全部返ってきたので、やはり神様はいるんだなと思いました。
――ライバルとして切磋琢磨し、またチームメイトでもある石川選手への気持ちは?
(石川は)シングルス(種目)の初戦で負けてしまって、ものすごく悔しかったはずなのに(自分を)励ましてくれて、佳純ちゃんが常に1点絶対に取ってくれる、という絶対的な信頼があったので、私も思い切って相手にぶつかっていくことができました。本当に心から頼りにしていました。
――4年後の東京五輪についてどう考えている?
今はまだ終わったばかりなので、まずはこの銅メダルのうれしさの余韻に浸りたいです。