イチローの同僚が侍ジャパン入り!? 3000安打とイエリッチの複雑な関係

丹羽政善

母方の祖母が日本人のイエリッチ

日系3世のイエリッチは巧打でリーグ4位の打率3割2分を打つイチローのライバル。WBCの日本代表入りに興味あり!? 【写真は共同】

 野球日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督が、来月にも米国を訪れて、イチローに来年の第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の出場要請を行うと報じられている。

 イチローにその気があるのか。その可能性についてはいずれ触れたいが、マーリンズのイチローのところへ来るなら、ついでにクリスチャン・イエリッチにも会ってみたらどうだろう。

 イエリッチは、日系三世。母方の祖母が日本人だ。

 WBCの出場資格規定に厳密に従うなら無理だが、実のところWBCの規定は良くも悪くも柔軟だ。前回大会でカブスのアンソニー・リゾがイタリア代表で出場したが、彼の場合、曽祖父がイタリア出身、ということで認められた。

 イタリアの場合、少々事情が特殊でもあるが、仮に日本がWBC事務局にお伺いを立てたら…?

首位打者争いのバリバリ大リーガー

 当のイエリッチは乗り気だ。

「もし、出られるなら、もちろん日本チームで出たい」

 米国代表の場合、ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)、ブライス・ハーパー(ナショナルズ)、マイク・トラウト(エンゼルス)、アンドルー・マカチェン(パイレーツ)らが出場の意向とされ、そうであるなら、イエリッチが選ばれることはない。

 マーリンズのドン・マティングリー監督に聞くと、「イエリッチが日本チームでプレーすることに問題はないかって? 全くない。むしろいい経験だ」と話しており、これで日本側さえ差し支えなければ、イエリッチが侍ジャパンに合流することに障害はない、ということになる。

 いや、やっぱりいろいろ差し支えありますかねぇ……。

 日本に来る助っ人外国人と違って、バリバリの大リーガー。今年はナ・リーグの首位打者争い(23日終了時点でナ・リーグ4位の打率3割2分)に加わっている選手ではあるけれど、さすがに侍ジャパンの中に彼が入っていたら、みんな、ポカーンとしてしまいますかねぇ? 侍ジャパンに決して無関係ではない人も、そう言っていたので。

 無理かなぁ……。

1/2ページ

著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント