イチローの同僚が侍ジャパン入り!? 3000安打とイエリッチの複雑な関係

丹羽政善

大「イ・チ・ロー」コールも二ゴロ

日本時間24日、代打のイチローはセカンドゴロ。3000安打は残り4本のまま 【写真は共同】

 ところでこの日のイチロー。8回2死二塁の好機で打席に立った。

 客席からは大歓声。球場全体に「イ・チ・ロー」コールが、こだまする。スタンディングオベーションのあと、そのまま立ったままで、イチローの打席を見守るファンも少なくなかった。

「エネルギーに溢れていた」と試合後に話したマティングリー監督。

「チーム自体もああやって応援してもらえるようにならなければダメだね」

 そういう喧騒の中、初球は見逃しのストライク。2球目はボールで、3球目はファウル。4球目、イチローのバットからは快音が聞かれたが、セカンド正面のゴロだった。

 その瞬間、声援はため息に変わっている。

「代打なら1打席2本は打てない…」

 やはり、1試合、1打席では、なかなか記録に近づけない。イチローも先日、ホームスタンド10試合で4本なら、具体的にフォーカスできるかと聞かれて、こう言った。 

「先発でやってたら、そらそうです。代打で10試合、もし10打席だったら、難しいですよ。1打席で2本ヒットは打てない」

 結局、記録に少しでも肉薄する、達成する、としたら今はとにかくスタメンでの出場機会が欲しいところ。現在、イエリッチに疲れが見え始めたら、イチローが代わってスタメン出場というパターンが想定されているが、イエリッチはこの日も3安打。目下、10試合連続安打中で、その10試合は打率4割2分9厘(42打数18安打)と絶好調だ。

 ということは明日も…?

 いずれにしても、イエリッチがどんな素晴らしい選手か、ということだけは、お分かりいただけたかもしれない。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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