今年のオールスターMVPは誰だ!? 過去のデータから徹底分析

ベースボール・タイムズ
 1951年の第1回開催から今年で66年目を迎えたプロ野球オールスターゲーム。これまでの全167試合(パ・リーグ80勝、セ・リーグ77勝、10引き分け)の中で、今回は試合毎に選出されるMVPに注目した。合計165人(該当者なしが2回)のMVP受賞者のデータから“お祭り男”の傾向を洗い出し、今年のMVPを予想したい。

第1回の川上を筆頭に巨人がけん引

【ベースボール・タイムズ】

 まず初めに球団別のMVP受賞回数を見ると、トップは予想通り、盟主として日本球界を引っ張ってきた巨人だ。51年の第1回開催で2安打1打点の活躍でMVP賞の自転車と羊かんを受け取った川上哲治に始まり、宮本敏雄(57、58年)、王貞治(63、77、79年)、松井秀喜(95、98、99年)、清原和博(97、2000年)、阿部慎之助(07、10年)が複数回受賞。MVP受賞24回、受賞人数17人ともに他球団から頭一つ抜けている。

 それに続くのが、パ・リーグの雄・福岡ソフトバンク。こちらは南海時代に広瀬叔功(61、66年)、野村克也(72、77年)、門田博光(76、83年)らが“実力のパ”を見せ付け、チーム名をソフトバンクに変えて以降も、松中信彦(09年)、内川聖一(13年)、柳田悠岐(14年)とハイペースでMVPを獲得している。

 さらに阪神には、9者連続三振でMVPをかっさらった江夏豊(70、71年)、3打席連発弾でファンを沸かせた掛布雅之(78、81、82年)のレジェンドたちの活躍もあり、受賞回数はソフトバンクの18回(14人)に次ぐ17回(13人)となっている。

MVPからもっとも“ご無沙汰”なのは?

【ベースボール・タイムズ】

 球団別のMVP受賞回数では、北海道日本ハム、横浜DeNA、そして05年に球団誕生から歴史の浅い東北楽天が少ないが、その中で「最後の受賞者」に着眼すると、様相が変わってくる。

 00年代に入り、大阪近鉄も含めて計11球団がMVP選手を輩出しているなか、ロッテは89年の第1戦で、先発して3回2安打無失点、通算16試合目で自身初のMVPを受賞した村田兆治を最後に誰も獲得していない。さらにオリックスは、前身の阪急時代の88年の第1戦で豪快な同点アーチを放った怪力ブーマーが最後のMVP受賞者で、オリックスとなった89年以降の受賞者なし。94年から7年連続で出場し、通算打率3割9分4厘(71打数28安打)を誇ったイチローも、MVPを獲得することはできなかった。

 今年のオールスターには、ロッテから投手4人(石川歩、涌井秀章、西野勇士、益田直也)と野手3人(田村龍弘、鈴木大地、角中勝也)の計7選手、オリックスからは投手1人(塚原頌平)、野手1人(糸井嘉男)の2選手が出場。中継ぎ投手のMVP受賞が困難であることを考えると、目下パ・リーグ首位打者の角中と“超人”糸井の爆発に期待したいところだ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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