今年のオールスターMVPは誰だ!? 過去のデータから徹底分析

ベースボール・タイムズ

大阪が断トツ!広島、熊本は大健闘

【ベースボール・タイムズ】

 次に少し視点を変え、過去の全MVP受賞者を出身地別に振り分けてみた。

 最も多いのは、計18回のオールスター出場で史上最多の7度(86、87、90、93、96、97、00年)MVPに輝いた清原和博を筆頭に、岡田彰布(80、88年)、松井稼頭央(97、01年)、中村紀洋(01、12年)の複数受賞者が名を連ねる大阪府だ。昨年も第1戦で3回をパーフェクトに抑えた大阪出身の藤浪晋太郎がMVPを受賞。今年の出場選手の中では、その藤浪に加えて、田村龍弘、浅村栄斗、川端慎吾、大引啓次の計5選手が大阪出身だ。

 2番手で続くのが、広島県だ。過去には張本勲(60、62、74年)、山本浩二(75、79年)、金本知憲(96、03年)らがMVPを受賞。大阪に負けない強打者揃いで、大舞台での強さを見せ付けている。今年の出場選手にも、中田翔、柳田悠岐、石田健大、新井貴浩の4選手が名を連ね、回数を伸ばす可能性は大いにある。

 3番手で健闘しているのが熊本県だ。受賞人数的には広島県よりも多く、川上哲治(1951年)、古葉竹識(63、66年)に始まり、秋山幸二(94年)、前田智徳(05年)といった打撃自慢の猛者たちが目立つ。ただ、今年は岩貞祐太のみで、少し寂しい。

 今年の出場選手を見ると、東京出身者が山崎康晃、秋吉亮、井納翔、菊池涼介、鈴木誠也の計5人で、大阪の4人を上回って最多。王貞治(63、77、79年)、松坂大輔(04年)に続く東京出身者のMVP受賞になるか。そのためにはまず、セ・リーグが勝つことが絶対条件になる。

MVP予想は10月生まれの29歳?

【ベースボール・タイムズ】

 では、今年は一体誰がMVPを受賞するのだろうか。ポジション別に見ると、投手の過去14回受賞に対し、野手は151回(捕手12回、内野手69回、外野手70回)と圧倒的に野手有利であることは間違いない。

 年齢別に見ると、最年少は清原の18歳(1986年)で、最年長は野村克也の42歳(77年)。選手として脂が乗り始める20代後半のMVP受賞者が多く、特に29歳での受賞は計20回を数える。今年のオールスターに29歳で出場するのは角中勝也のみだが、彼の活躍と同時に、第1戦の7月15日に25歳の誕生日を迎える今宮健太、第2戦の16日に24歳となる山田哲人にも注目したいところだ。

 その誕生日を、無理やりデータに落とし込んでもみた。日本の学校制度上、4月生まれがプロスポーツ界で有利になるのは数々の研究でも明らかになっており、今年も9人(藤浪晋太郎、三上朋也、戸柱恭孝、石川歩、サファテ、丸佳浩、高山俊、中田翔、秋山翔吾)が出場。確率的にも高くなるのは当然だろう。それに続くのが8月生まれなのだが、これは清原の7回が大きく、受賞人数で言えば10月生まれの方が多い。

 以上をまとめると、予想するならば「10月生まれ」の「29歳」、「大阪出身」の「野手」がMVPの有力候補――。今年の出場選手の中で、このデータにピッタリと当てはまる選手は残念ながらいないが、惜しい選手はいる。10月生まれの28歳、大阪出身の内野手、川端慎吾である。さてさて、どうなるか。

 MVPの賞金は300万円。誰が受賞するかに注目しながら、66年目のオールスターを楽しみたい。

(文・三和直樹、グラフィックデザイン・山崎理美)

2/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント