錦織ストレート勝利も気になるケガの状態 2回戦へ、師匠は雨天順延を祈る

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ビッグサーバー相手にストレート勝利

いよいよ開幕したウィンブルドン。錦織は脇腹に不安を抱えながら、ストレート勝ちで2回戦進出を決めた 【写真:アフロ】

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が3連覇で「ゴールデンスラム」に夢をつなぐか、セリーナ・ウィリアムズ(米国)はメジャー通算22度目の優勝でシュテフィ・グラフの記録に並ぶか――話題満載のウィンブルドンが開幕した。

 昨年に続いて第5シードの錦織圭(日清食品)は、ストレート勝利だったとはいえ、不安を抱えたスタートになった。相手のサミュエル・グロート(オーストラリア)は最高時速263キロを持つビッグサーバー。第1打、いきなり時速143マイル(時速230キロ)が掲示されて客席がどよめいた。だが、サーブが返されてからのレベルはガクッと下がり、世界ランクは124位。4月のチャレンジャーでは現在378位の吉備雄也(ノア・インドアステージ)にも負けている。

 第1セット、錦織は早いタイミングのリターンで仕掛け、第1ゲームで早々とブレークポイントを握った。ここはグロートが時速200キロ超のサービスエースで逃げたものの、第5ゲーム、相手の足元にリターンを沈めて先にブレークに成功して第1セットを奪った。

 幸先の良いスタートだったが、第2セットは荒れた展開となった。リターンを警戒したのだろう、グロートのファーストサーブの確率は46%まで低下。錦織がここでも第1ゲームにいいリターンウィナーを2本決め、相手のダブルフォルトもあっていきなりブレークに成功した。しかし、この日の錦織のサーブはまったく威力がない。ファーストサーブの平均時速170キロ、グロスのセカンドサーブ175キロより遅く、ミスも目立ち、第2ゲームにすぐブレークバックされてしまった。

脇腹の痛みは軽症ではない

この試合でもメディカルタイムアウトを要求した錦織。脇腹の不安を抱えながら、どこまで本来のプレーを見せることができるか 【写真:アフロ】

「タフなサーブを相手に、いいリターンができたことが一番の収穫でした。自分のサーブに関しては、いいサーブは要らなかったということで、あれくらいで良かったかと(笑)」

 第5、第9ゲームをブレークしての2セット連取は、さすが余裕に見えたが、このセット間にメディカルタイムアウトを要求して、トレーナーに脇腹の治療を受けた。

 前哨戦のゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ)1回戦で脇腹を痛め、2回戦を棄権している。大会前には、痛みはほぼ完治し、気になるのは(芝での)試合数が踏めなかったことだと話していたが、ウィンブルドン入りしてからもサーブの練習は控えめだっただけに、痛みはまだ残っているのだろう。

 第3セット、先にブレークを奪って迎えた第3ゲーム、15−0から4ポイント連続で落としてブレークバックを許し、危なかったのは5−5で迎えたサービスゲームだ。15−40とブレークポイントを2本握られた。脇腹の不安を考えれば、タイブレーク勝負は避けなければいけない。ここを懸命に乗り切ってサービスキープしたのが大きかった。気落ちしたグロートは第12ゲームにダブルフォルトを2本、錦織はそれを生かしてストレート勝ちを収めた。

 記者会見場に、師匠のニック・ボロテリーの姿があった。

「明日は雨。試合ができなければ、(錦織の2回戦の)明後日も出来ない。祈ろう(笑)」

 冗談交じりとは言え、脇腹の痛みが軽症ではないことを裏付けるような言葉だった。

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女子では奈良くるみ、土居美咲が2回戦へ

 日本勢では、男子の西岡良仁(ヨネックス)は芝を得意とするセルジー・スタホフスキー(ウクライナ)の前にストレートで敗退したものの、女子は奈良くるみ(安藤証券)、土居美咲(ミキハウス)が持ち味を生かして2回戦に勝ち進んだ。

 男子は第1シードのノバク・ジョコビッチ、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)、第6シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)といった優勝候補が実力通りの強さを見せて初戦を突破。波乱と言えば、第17シードのガエル・モンフィスが同じフランスのジェレミー・シャルディーに敗れる小波乱ぐらいだった。

 女子も全仏オープン優勝のガルビネ・ムグルサ(スペイン)、第5シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)ら上位勢がほぼ順当ななか、アナ・イバノビッチ(セルビア)が敗れた。


文:武田薫
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2016年6月27日(月)〜7月10日(日) ※7月3日(日)除く
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