桜花&メラニーはベルト奪取失敗 中島安里紗は実りのある海外遠征に

泉井弘之介

桜花&メラニーの「スカイツリーズ」がインパクト残す

桜花&メラニーの「スカイツリーズ」が強烈なインパクトを残す 【LADYS RING】

 米国の女子プロレス団体「SHIMMER」に、プロレスリングWAVEの桜花由美、水波綾、JWP女子プロレスの中島安里紗が参戦。3人の海外遠征も最終日を迎えた。

 身長168センチの桜花と182センチのメラニー・クルーズ。平均身長175センチという、驚異の「スカイツリーズ」が本格的に始動。

 入場ではブーイングを一身に浴びるが、もちろん意にも介さない。まずはスカーレット・ボルドー&ソロ・ダーリングがタックルを決めるがびくともしない2人。「ワンモアトライ」というメラニー。2度目のタックルもまったく微動だにせず。すると、ボルドーとソロは、タックルと見せかけて、足を踏みつけて攻撃。チャンスとばかりにキックを狙うボルドー&ソロだが、スカイツリーズが足をすくうとそのままマットに叩きつける。

 メラニーはボルドーとソロ、交互に捕まえてワンハンドのゴリラスラム。桜花が続けてボルドーをロープ際に向けさせると背後からランニングして後頭部へのキック。そしてメラニーを呼び込み、ダブルでのラ・カチョーラ。桜花はテレビカメラに向けてVサインを飛ばす。

桜花は相手の顔面へ霧吹き 【LADYS RING】

 そしてボルドーの髪をねじってからのヘアホイップ。コーナーに置いてあったムチを取り出すと、ロープに飛ばしてのムチ攻撃。1発では飽き足らず、背中へ乱打。さらにボルドー&ソロの強さの秘密であるドリンクボトルを桜花&メラニーが手にすると、2人に向かって顔面へ霧吹き。

 これに怒ったボルドーがメラニーにナックルを連打するが、すぐに桜花が顔面キックで割って入り、流れを引き戻す。そしてソロに桜花の顔面キックからメラニーがツームストンパイルドライバーという強烈すぎる攻撃を決めて、豪快に3カウントを奪った。

 強すぎるスカイツリーズが全米マットに強烈なインパクトを残した。

仕切り直しの一戦で中島は貫禄の勝利

前日は無効試合で消化不良だった中島はこの日は快勝 【LADYS RING】

 昨晩は不本意なタイトル戦となった中島だが、仕切り直しの一戦。JWP無差別級王者としての参戦はファンの反響を呼び、この日は入場時にいきなりの「ナカジマ」コールで迎え入れられ、アメリカでも人気が浸透している。いつものようにJWPのベルトを腰に巻き、日の丸を両手に掲げ、リング内を一周する。

 試合前、リア・オーライリーから握手を求められるが、これはだまし討ちでボディへ蹴りを見舞われる。しかし中島もすぐに腕を取り、投げを決める。そしてアームホイップから低空キックとスムーズな流れ。

 足をすくったリアはネックロック。そしてラリアットからブレーンバスター。さらにはサイドバスターと大技ラッシュ。続けて、ヒップドロップを背中に当てて、一点攻撃を続ける。

 苦しむ中島だが、ナックル合戦で追い込み、コーナーに追い込んでから激しく連打。このリアクションには全米のファンも大歓声。コーナーに振られても、ミサイルキックで返す。リアもサイドバックブリーカーで反撃。再びピンチになった中島に「ナカジマ」コールが起きる。

 両者トップロープでの攻防へ。中島が打ち勝つと、落下したリアの背中めがけて、ダイビングフットスタンプ。驚きの声が客席を充満。さらにリアのキック攻撃をキャッチすると、スタンディングのヒールホールド。そして投げっぱなしジャーマンからランニングニー。リアもローリング式のネックブリーカーから低空キックで返すも、すぐさまバックを取り、ジャーマン1発で切り返して3カウントを奪い、貫禄の勝利となった。

「初日はいつも通りの中島安里紗、2日目はそれにプラスアルファ何か新しいこと、そして今日は戦いの中にもなにか楽しもうという気持ちで、試合していたんですけど、それができて、プロレスって場所は関係ないんだなって改めて感じることができました」と成果に手ごたえ。

 日々の試合でつねに変化と進化を見せつける中島。残り1試合ではどんな中島安里紗を全米のファンに見せるか、最後まで注目は続く。

水波“アニキ”は怪奇派になったコートニーに勝利

アニキはスピアー合戦に応じるなど、この日も熱い戦い! 【LADYS RING】

 横縞模様の入ったサングラスに「USA」のペンダントを胸に掲げて入場してきた水波。過去の試合ではマスク姿であったが、これとは違った形での登場となった。観客は「USA」コールで迎え入れる。そしてこの日は「アニキ・リョー・ミズナミ」と紹介された。ついにリングネームにも“アニキ”が施される。

 観客席からは「アニキ」コールが沸き起こる。対戦相手のコートニー・ラッシュとは、4年前に水波のSHIMMER初遠征の際に対戦経験がある。現在のコートニーは顔面をペイントで施した怪奇派の存在だ。

 まずは、水波の握手に対してナックルで返すコートニー。水波は胸を突いてやり返す。コートニーが噛みつきにいくと、あわててアニキはレフェリーのシャツで顔を吹く。

「行くでー!!」とインチキ関西弁でアピールの水波(愛知県名古屋市出身)はタックルを連発。これに対してコートニーはジャンピングエルボーからスピアーで反撃。さらに背後から後頭部へのかみつき。チョークと続き、水波は反則に苦しむ。

 それでも、コートニーの叫びに対しては、水波も「ウワオー」と叫び返す。叫び声は互角。続いて、ナックル合戦から水波がランニングエルボー。そして唇「ちゅっ」からのランニングエルボーは失敗に終わるもパワースラムにとらえる。続けてランニングギロチンを連発。あまりのすばやさに観客からは驚嘆の声が起きる。フォールに行くも、レフェリーのカウント2には「ウワーシュ!」と抗議する水波。

 ここでラリアットを狙うが空を切ると、逆にスピアーを食らう。これにはすぐにスピアー返し。するとコートニーもスピアー。またも水波がスピアー返し。ものすごいスピアー対決となり、ついには両者ダウン。

 両者が立ち上がると再びナックル合戦。水波は「ウヲワーシュ!」と叫んで気合を入れてナックルで打ち勝つが、コーナーぶら下がりの首四の字を食らう。水波はラリアットで流れを変えると、コーナーから自ら突進してのラリアット。しかしダイビングギロチンを狙うが、これはトップロープ上で阻まれる。水波はラリアットでなぎ倒すと、コートニーが落下。最後はダイビングギロチンを落とし、豪快に勝利をモノにした。

 水波は「オイ! コートニーは自分の知ってるコートニーとは違ったぞ、知らなかったぞオイ! フーッ!コートニーがなぜコートニーなのか、この4年の間にコートニーの間に何が起こったのか、そして何でこんなコートニーなったのか、知りたいぞ。教えてくれ! 以上、ヲワーッシュ!」と叫んで試合を総括した。

 4年ぶりのアメリカマットとなった水波はこれがSHIMMER最後の試合。全米を熱さの渦に巻き込み、「アニキ」人気を確立した。

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント