ハリルホジッチ「とにかく勝ちたい」 キリンカップメンバー発表会見

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キリンカップの日本代表メンバー発表会見が行われ、大島僚太と小林祐希が初選出された 【スポーツナビ】

 日本サッカー協会は26日、都内で会見を開き、6月のキリンカップサッカー2016に臨む、日本代表のメンバー25名を発表した。

 本田圭佑や香川真司、長友佑都といった常連組に加え、大島僚太と小林祐希が初選出。さらに昨年8月の東アジアカップ以来の招集となる浅野拓磨や、遠藤航、丸山祐市らが久しぶりの代表復帰を果たした。

 また、Jリーグで得点ランキング2位(5月26日現在)と好調の大久保嘉人は落選。選出されなかった理由をヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「A代表に入れたら覚えてもらわなければならないやるべきことが多い。A代表に彼の動きが生きるのかということが私の中ではまだイメージできない」と話し、「これまで呼ぶべきかどうか、何十回も悩んできた」と明かした。

 大会に向けては、「日本チームに勝つ文化を植え付けたいし、われわれより強いであろうチームに勝つトライをする」と抱負を語り、「皆さんが評価するか分からないが、私は勝ちたい。とにかく勝ちたい。こういうトロフィーを勝ち取りたいと思う」と、勝利への強いこだわりを見せた。

選手にはまったく満足していない

登壇者:
ヴァイッド・ハリルホジッチ(サッカー日本代表 監督)

 コンニチハ。キリンカップに関してだが、すべてのクオリティーを求めなければならない。そして選手、チームに要求することがある。この大会に向けて大きな野心と真剣さを持って臨まなければいけない。対戦国となる3つのチームは異なるやり方、異なる経験を持ったチームで、クオリティーも高い。

 ボスニアとデンマークに関してはユーロ(欧州選手権)のプレーオフで惜しくも敗れたチーム。そして、ブルガリアはレベルを盛り返し、野心を盛り返している段階のチームだ。これまでのブルガリアとの対戦成績を見ると、日本代表は分が悪い。このチームに勝ったことは一度もない。過去4回負けて、1回引き分けた。もし、このチームに勝つことができれば、われわれにとってはかなり大きなことを成し遂げたことになる。そのためにはグラウンド上とグラウンド外で準備をしなければならない。

 この6月にどのような問題が起きるかはすでに分かっている。代表監督にもいろいろな問題が起きてくる。つまり、リーグ戦が終わった段階の選手がいるということだ。疲労も大きなものがある。フィジカルだけでなくメンタル面の疲労もあるし、がっかりした人もいるだろう。大変なことをした人間もいる。

 つまりレスターの結果だ。本当にフットボール界においてものすごく大きなことをした。レスターがリーグ戦で何を成し遂げたのか、どんな相手がいるのか。そしてオカ(岡崎)が成し遂げたこと。今(優勝報告で)いろいろなところを訪れているが、いつ彼が合流するかまだ分からない。彼はプレーするために来るのか、もしくはキリンカップを祝福するために来るのか分からないが。それは冗談として、オカのことは本当にうれしい。まずは疲労がかなりあると思う。選手の中にはがっかりした人たちもいる。2部に落ちてしまったチームもある。何人かの選手は良いシーズンを送っただろう。

 それは海外組に関してだが、国内組に関しては、ここ何カ月かかけてメッセージを発信しているが、今日本のフットボールはデリケートな状態に陥っている。昨日は(ACLで)浦和がやられた試合を見た。FC東京もやられてしまった。アジアの準々決勝に日本のチームが1つも存在していない。韓国、中国、そしてUAEの2チーム、そしてカタール、ウズベキスタンのチーム。日本のチームは存在していない。

 そして正直に言うが、ここに呼ぶであろう選手にはまったく満足していない。なぜ、ほかの人を選ばないか。なぜなら彼らがより良いからだ。しかし、ここに選ばれたのはギリギリのところだ。もう一度言うが、個人の仕事の量と質、それを現代フットボールに適応していく。もちろん選手のクオリティーや伝統は持ち続けた方がいいと思うが、向上するためには本当に大きな疑問を持った方がいい。

 各国大きな問題はあると思う。ただ、この日本チームに勝つ文化を植え付けたいし、われわれより強いであろうチームに勝つトライをする。われわれにとって(キリンカップは)良いテストになると思う。ワールドカップ(W杯)最終予選に向けて、簡単なグループではないと思うし、これからわれわれはいろいろなことに気付かなければならない。

 合宿には22人のフィールドプレーヤーと3人のGKを呼ぶ。9人のバックアップメンバー、8人のフィールドプレーヤー、1人GKを予定している。この合宿が始まるギリギリまでいろいろなところを訪れて、この合宿に参加してほしい選手を見つけてきた。五輪(候補)のメンバーに入っている選手も呼ぶつもりだ。彼らも合流するだろう。試合をするかどうかは分からないが、よりよく知るために(呼んだ)。

 キリンカップのトロフィーは美しい。サッカーミュージアムにあまりトロフィーがない印象だが、これ(キリンカップのトロフィー)をショーウィンドーの中に飾りたいと思う。たくさんの場所が空いていると聞いている(笑)。笑いながら、真実も言わなければならない。皆さんが評価するか分からないが、私は勝ちたい。とにかく勝ちたい。こういうトロフィーを勝ち取りたいと思う。

「キリンカップのトロフィーは美しい」と語ったハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

<メンバー25人発表>

GK:
川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド/スコットランド)
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)

DF:
長友佑都(インテル/イタリア)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
丸山祐市(FC東京)
酒井宏樹(ハノーファー96/ドイツ)
酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)
昌子源(鹿島アントラーズ)

MF:
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)
柏木陽介(浦和レッズ)
香川真司(ドルトムント/ドイツ)
清武弘嗣(ハノーファー96/ドイツ)
小林祐希(ジュビロ磐田)※
大島僚太(川崎フロンターレ)※
遠藤航(浦和レッズ)

FW:
岡崎慎司(レスター・シティ/イングランド)
本田圭佑(ACミラン/イタリア)
小林悠(川崎フロンターレ)
金崎夢生(鹿島アントラーズ)
原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
宇佐美貴史(ガンバ大阪)
浅野拓磨(サンフレッチェ広島)

※初選出

槙野は左SBで競争してほしい

 ニシ(西川)は昨夜は(ACLで)PKまでもつれ込んだかなり厳しい試合をしてきた。彼もPKを蹴ったということだが、A代表では絶対に蹴らせない、それは確実だ。ヒガ(東口)、エイジ(川島)、(GK3人の)優先順位は決めていない。競争してほしい。誰が最初にスタートするのかどうか、皆さんに聞かれても私も分からない。合宿をしながら、トレーニングを見て決める。先発を勝ち取るためにしっかり戦ってもらって、最後の最後に決めなければならない。この3人は本当に大きな競争があると思う。林(彰洋/サガン鳥栖)も含めれば、4人がここに入る。

 それからDF。ヒロキ(酒井宏)は難しいシーズンを送った。彼のクラブが降格してしまった。最後の2試合は出ていない。ゴウトク(酒井高)はシーズン最初は難しかったが、先発を勝ち取った。大きいクラブなので競争もかなりあるだろうが、先発を取り続けて残ってほしい。それが彼にとっても、A代表にとっても良いことになるだろう。これが右サイドバック(SB)の競争になる。

 ユウト(長友)のフィジカルクオリティー、キャパシティーは本当に模範だ。彼の仕事ぶり、トレーニングぶり、テストのやり方、そして彼の熱心さがインテルに貢献しているのだろう。人格も模範。いつも勤勉で、模範になってくれる選手だ。

 槙野は今回、左SBで競争してほしいと思っている。まずはこのポジションでプレーしたことがあるのは把握している。浦和ではオフェンスの時は左サイド、ディフェンスの時は少し真ん中に戻るが、これから迎える試合に関して、彼のヘディングやフィジカルの強さが必要になってくる。彼がどのように習慣化するか、これから見ていきたい。槙野もディスカッションを用意している。特にディフェンス面でもっともっとうまくなるよというディスカッションをしたいと思う。ここに藤春(廣輝/ガンバ大阪)や太田(宏介/フィテッセ)も競争に入ってくる。彼らともしっかりコンタクトをとったが、ディフェンス面をもっとやってほしい。もちろん彼らはオフェンス面で素晴らしいものを持っているが、とにかくディフェンス面を2人とも上げてほしいと思っている。

 センターバック(CB)だが、マヤ(吉田)はクラブでかなり難しい状況を迎えている。彼以外の選手が先発をとっている。しっかり補足トレーニングをしなさいというコンタクトを常にとり続けている。クオリティーのある選手だが、プレーしないとパフォーマンスについて疑問を抱かざるを得ない状況になってしまう。キリンカップのような試合で、彼が準備できているかどうかを見なければならない。シーズンが終わった後もわれわれはプログラムを与えてしっかりやってきて、現状もしっかりやってくれている。これから様子を見て決めていきたい。

 森重もしっかり良いシーズンを送っているという印象だ。個人個人と必ずディスカッションして伸ばすところを伝えているが、われわれの要求することがクラブと違うことは多々ある。A代表は違うやり方をする。特に戦術の面で。彼も真剣な男なのでしっかりやってくれている。昌子も良いシーズンを送っている。デュエルも向上している印象がある。空中戦のデュエルにも勝っている。攻撃の組み立てに関してはもう少し向上できると思う。そしてより速いプレーを心掛けてほしい。向上している最中だし、まだ23歳。彼も先発を代表でとってほしい。

(CBの)4人目となるのが丸山。ここまですべてのCBが右利きだが、彼は左利きだ。だから呼んだわけではない。クオリティーはあるが、まだ恥ずかしさが取れない。よく聞いてくれる選手だが、まだ学ばなければならない。勇気、自信、前に行くことなど。左利きもやはりわれわれのチームに必要。でも先発をとらなければいけない。まだあと2、3人、彼から先発を奪いそうな選手もいる。ただ、彼は合宿に呼ぶ。これが8人のDF、キリンカップに向けて競争しなければならない8人だ。

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