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浅野は将来のA代表に絶対必要

U−23代表としてトゥーロン国際大会に出場している浅野について「将来のA代表に必要な選手」と語った 【スポーツナビ】

 次はFW。(本田)ケイスケは長年代表にいる。良いシーズンを送ったと思う。彼とはよく話をするし、信頼している。かなり難しいクラブでプレーしている。最近は先発で出続けているが、彼も伸ばすためにディスカッションが必要だ。ミランとA代表では違うポジションでプレーしてもらわなければいけない。代表ではFWとして考えている。そして、われわれにとって一番良いゴールゲッターだ。ポジションにつく、背後に走るといった動き方がミランとは違うので、できるだけ早く考え方を変えてほしい。1年前、みんな失望していた。どのように回復するのかを理解していなかった。今からは野心を持って、新しい若さをもって、次のW杯に向けて戦ってほしい。本田の世代は、何かをするために最後の年代になるかもしれない。そういったことも含めて彼を信頼している。

 小林(悠)について。川崎はJリーグで1位、良いシーズンを送っている。大久保はゴールを決めるところに入るが、(小林は)フィニッシュのところに来たり、フィニッシュをさせたりする。オフェンスのクオリティーがある選手だが、ディフェンスではまだ役割が分かっていない。私のところに来れば違った役割をしなければいけないが、既にディスカッションをしている。他の選手とも競争していかなければいけない。彼は代表に入る資格がある。右サイドでもアタッカーが2人いた場合は真ん中でもプレーできる。フィジカルコンディションが上がれば、アイデアがある選手なので面白い攻撃ができるのではないかと思う。

 宇佐美は何回か呼んでいるし、何回か話をしているので付け加える必要はないと思う。クラブは今シーズン、難しい時期を過ごしている。日本の国内においては最も能力のある選手だと思っている。彼とは我慢をする必要がある。もっともっとやってほしいが、彼は私の期待を完璧に理解しているはずだ。

 原口については先ほども話した。中盤でも競争しなければいけない。昨日もたくさん話をした。右SBに入れたときに役割を理解していなかったので、もう一度説明した。彼は3〜4カ月後にようやく分かってくれたようだ。原口はシーズンの最後の最後で少し難しい状況になった。フィジカルだけではなく、心理面でも疲労しているはずだ。少しモチベーションを上げて説明をしてあげないといけない。

 オカ(岡崎)も既に話した。彼は今、(レスターで)いろいろなところを訪れている。オカがどのようなフィジカルで合流するのか、プレーできるのかどうかも分からない。ただ、祝福したいと思う。日本人がイングランドのプレミアリーグで勝った。日本のサポーターも選手もオカを誇りに思っていい。日本代表では別の役割がある。A代表の役割は彼のクラブと全く違う。

(金崎)ムウについて、私は少し疑問を抱いているところがある。けがも病気もよくする。何が起きているかは分からないが、かなりのクオリティーがある選手だ。スピードにパワー、ファウルを誘うこともできるし、得点も取る。ただ、コンスタントではない。風邪を引いて試合に出られなかったという話も聞いている。彼ともディスカッションをしたい。A代表に入るには、定期的に良いパフォーマンスをしなければならない。彼には説明を求めたい。

 浅野を初めて見たときに思ったのは、日本国内で1人だけ背後に動き出せる選手だということだ。彼の試合(トゥーロン国際大会)も見たが、背後に走るパワーもスピードもある。まだまだ伸ばせるところもある。浅野を昨年の東アジア選手権に連れていったとき、Jでは先発ではなかったが連れていった。その時に、大久保を連れていくこともできた。大久保がいれば、よりチームのパフォーマンスは上がったかもしれないが、浅野は将来のA代表に絶対必要だと思った。リスクを負って、将来のA代表のことを考えたのだ。2〜3年後のことを考えて彼を選んでいる。

 彼は明日到着して、A代表の合宿に参加してもらう予定だ。短い期間でトゥーロンの3試合を戦うのはきついし、海外からの移動もある。けがのリスクが高まる。彼には長所も短所もたくさんある。まだ21歳だし、ゴールゲッターになる要素がすべてそろっている。日本では数少ないゴールゲッターだ。大きな伸びしろがある。ただ私とは過ごした時間が少ない。彼にとっては、自分のクラブでの日常のトレーニングが大事になってくる。今シーズンはもっと先発で出てほしい。昨シーズン、広島はチャンピオンになったが、彼は貴重なゴールを決めていた。リオ五輪にも行くだろうし、こういった大会に出ることで伸びていく選手だと思う。より成熟して自信がついていく選手だと思う。彼のことは、楽観的に見ている。

家長や宮市、能力のある選手は他にもいる

 最終予選では1〜2回のチャンスでゴールを決められる選手を見つけなければならない。(2次予選のように)19回も機会を作ることはできないのだ。各国には1〜2人のゴールゲッターがいて、それぞれ違いを見せつけている。ゴールゲッターがいない国は、高いところまで勝ち抜くことはできない。成功するかは分からないが、そういったゴールゲッターを探そうとしている。

 付け加えになるが、ビッグクラブだけではなく、小さなクラブも見るようにしている。ユウキの磐田は昨季2部にいた。直接見たところ、良いクオリティーがあったし、彼以外にも多くの興味深い選手がいた。大宮の家長(昭博)あたりもそうだ。能力がかなりある選手だと思う。数試合見たが、いつも同じ分析になる。ボールを持った時に違いを作れる選手だ。しかし、ボールがないときはそれが止まってしまう。既に代表に選ばれた経験があり、過去に天才と呼ばれていた選手だ。

 日本にはこういった選手が多い気がする。能力があって、A代表に入る可能性がある選手だ。彼の過去の話を聞いて良い選手だなと思った。その時に良いパフォーマンスを見せるのであれば代表には呼ぶ。それが35歳であろうが、40歳であろうが。しかし、年齢に応じてしっかりとトレーニングしなければならない。

 他にもけがをしていた選手がいる。皆さんご存知だと思うが、宮市(亮、ザンクトパウリ/ドイツ)だ。何人かの関係者に見てくれと言われ、リーグ最終節を見た。1年半が経ち、ようやく先発で出場して点を取った。点を取らせもしたし、素晴らしい試合をしたと思う。仲間が彼を祝福していた。速いし、180センチある。背後を突くこともできる。つまり、追跡していかなければいけない選手だ。こういった能力がある選手はほかにもいるのだ。

 ただ、日本では若い世代の選手がまだまだ信頼されていない。ドイツなどを見ると、日本には若い世代に可能性を与える環境がないのかなと思う。例えば、イングランドではマンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォードが18歳でA代表に選ばれた。日本でそれは不可能だ。でも私はそれが見たい。私は間違えるかもしれないが、18歳の選手が30歳の選手よりもうまいということはあり得る話だ。家長と宮市という2人の選手の名前を出したが、家長は29歳とすでにいい年齢だ。ほかの選手は若い。ただ、ある試合でどちらの選手を選ぶかというと、それはその時に良い状態の選手だ。たくさんの選手を見てきているし、最終予選のときにその選手が良ければ招集する。これがメッセージだ。「A代表でやりたい」と選手は皆、口では言うが行動で見せてほしい。私とコンタクトを取って、A代表の話を聞いてほしい。

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