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なぜACLで敗退したのか疑問を持つべき

ACLでの日本勢の敗退については「気持ちや戦う意識にプレースピードについて、多くの人たちが疑問を持たなければならない」と指摘した
ACLでの日本勢の敗退については「気持ちや戦う意識にプレースピードについて、多くの人たちが疑問を持たなければならない」と指摘した【スポーツナビ】

――先ほどACLで日本のチームが敗退したことについて言及した。選んだ選手については、伸びしろや足りない部分を説明していたが、Jリーグの問題もそのあたりにあるのか?(田村修一/フリーランス)


 まずは単純に、相手が強かったから日本のチームがACLからいなくなった。ギリギリのところで結果は変わってしまう。戦術やフィジカルの状態で変わることだ。それからおっしゃるように、個人の能力の問題もある。ここまで何度か話してきたが、日本は現代フットボールが何を要求しているのかを考えなければいけない時代になっている。それに対してたくさんの疑問を抱いてほしい。


 UAE、中国、韓国がベスト8に2チームずつ残ったのは偶然ではない。彼らはより多くのトレーニングをこなしているのだ。過去、アジアでは日本が一番強いと思っていたと思う。この5年で本田やシンジが海外に行ったが、彼らを超える日本人選手が出てきただろうか。この4〜5年、日本がアジアカップやW杯でどのような成績を残したか。彼らが良い結果を出せなかった要因をしっかりと分析して真実をつかまなければならないと思う。


 私がこれを話すのは始めてではないが、毎週Jリーグを視察して、各クラブを観察している。最近は稀に良い試合があり、戦う意識が伸びてきているのを感じる。けれどもそれは稀なことだ。夜、海外の試合を見るが、全く違う世界だ。答えるのは簡単だが、もっとやれということだ。つまり、海外で何が起きているかをもっと見てほしい。戦う意識やプレーのスピード、バイクとフェラーリぐらいの違いがある。ただ、日本の選手たちはもっと速く走ることができるし、日本の選手たちはもっと激しくコンタクトできる。


 審判とディスカッションする機会もあった。試合中で流すプレーについて、イングランドでは絶対に吹かない笛でも日本では吹かれることがあると。それから、指導者や育成についても。Jリーグは毎週見ているが、どこも同じようなやり方をしている。川崎や浦和は時々ハイプレッシャーをかけることもあるが、それ以外は皆自陣に戻ってミスを待つサッカーをしている。


 私にとって、オフェンス面でもディフェンス面でも川崎が良いチームに見える。そして、1位になっている。なぜなら彼らはリスクを取りにいっている。トレーニング、戦術、特にフィジカルについてだ。現代フットボールではプレーのスピードが求められる。バルセロナのようなゆっくりとしたスタイルはもう終わった。もっと背後に、早くプレーするようになっている。なぜ、私は浅野が好きなのか。彼は背後に走るからだ。私も元FWだったので分かるのだが、ゴールの取り方を知っている。1人ではダメだ。2〜4人が連動しなければならない。


 日本のサッカーに関わる人たちは、日本がなぜACLでベスト8に残れなかったのか。明日では遅い、今疑問に思わなければならない。世界の各国が伸びている。20〜30年前のフットボールは終わってしまった。日本はアジアでもランキングが低い。つまり、指導者や関係者の皆さんは海外で何が起きているのか見ないといけない。そして、現代フットボールに、日本の長所を適応させていかないといけない。気持ちや戦う意識にプレースピードについて、多くの人たちが疑問を持たなければならない。

大久保がA代表で生きるイメージがない

――なぜ、大久保を代表に呼ばないのか。大久保は日本で一番のゴールゲッターだと思うのだが、いつになったら大久保を呼ぶのか?


 大久保は1回、合宿に呼んだ。おっしゃるようにここ3年、一番良いゴールゲッターだ。大久保の試合は10試合以上見ているし、稀にみるゴールゲッターだ。彼は2〜3メートルでゴールを決める。A代表で活躍するシーンも見た。そして彼の年齢(33歳)のことも考えなければいけない。ただ、A代表ではなぜあまり活躍していないのかという疑問も持っている(代表では60試合6ゴール)。


 確かに彼はゴールゲッターだが、ある特徴がある。それは(ペナルティーエリアの)16メートルだけでしか見られない人間だ。ゴールゲッターとして、天性の感覚がある。こういう選手をA代表に呼ぶのは簡単ではない。代表では組み立てにも参加しないといけないし、ディフェンスにも戻ってほしい。つまり、私はまだ躊躇(ちゅうちょ)している段階だ。ただ、最終予選では分からない。大久保が必要なら呼ぶかもしれない。彼のことは毎回見ている。ただ、現状ではオカやムウ、浅野を多く使いたいと考えている。


 絶対というものはない。私は元FWだったので、大久保の動きだけに注目したことがある。A代表に彼の動きが生きるのかということが私の中ではまだイメージできないのだ。まだ躊躇している段階で、他の選手を信頼している。彼がA代表で活躍した試合も見たが、代表ではあまり多くのゴールを挙げていない。代表では違うやり方をしているというのが現状だ。


 例えば、ハーフナー・マイク(ADOデンハーグ/オランダ)を思い出してほしい。一度招集したし、オランダでも活躍している。ただ、日本はここ数年、ロングボールを使った戦術を使っていない。1人の選手のために、その戦術を使うのかどうか。代表の合宿では1回に多くのトレーニングはできないので難しい。マイクを使ったときも、クロスを上げるチャンスはあったが、上がらない場面がかなりあった。


 A代表にはA代表のやり方があり、補足関係が必要なので適応するのは難しい。本田、香川、清武といった選手がわれわれのキーになっているが、彼らはセンタリングをする選手ではない。ただ2メートルの選手を入れても、周りにそれを生かす選手がいないと無駄になってしまう。


 皆さんが大久保に関して考えることは自然なことだと思う。彼をA代表に入れて大久保にとってのチームを作る、大久保に何かを覚えてもらう。それは33歳、34歳の選手には難しい作業だ。国内の試合では呼ぶ可能性があるかもしれない。アウェーでは難しいと思う。もしかしたら10分入れただけでもゴールを決めるかもしれない。でも今は他の選手を選んでいる。ただ、私も大久保に関しては、何十回もどうしようか考えた。

デンマークは仮想オーストラリア

――今回は3チーム来日するが、レギュレーションで2チームとしか対戦できない。ボスニア・ヘルツェゴビナとデンマークをどう考えているか。また、最終予選を戦うライバルは同時期に海外遠征を行う国がある。その中で国内で試合をするメリットとデメリットをどう考えているのか教えてほしい。(河治良幸/フリーランス)


 まずは(3日に対戦する)ブルガリア戦の準備をしないといけない。ブルガリアは3月にポルトガルで、ポルトガルに勝った。ポルトガルはFIFAランキング8位(16年5月5日付)だ。つまり、ブルガリアのクオリティーは高い。日本のフットボール市場は、ブルガリアの市場に勝っていない。ブルガリアとの結果によって、ボスニアとデンマークのどちらと対戦するのかが決まるわけだが、恐らくどちらもわれわれよりも強いだろう。ディスカッションをしながら、戦術の練習をしながら勝つためのトライをしたいと思う。「難しい」と口で言うのは簡単だ。頭の中でどんなチームにも勝つ可能性があると考えたい。


 国内でやるメリットだが、野心やアグレッシブさを持てること。それを要求するためにキリンカップを選んだ。海外で試合をしないのはなぜかというと、それは実現する可能性がなかったからだ。キリンカップがなければ、海外でやることもできたが、キリンカップは国内でやるものだ。われわれはアジアで最終予選をやらないといけない。もし、最終予選を突破すれば、アウェーのヨーロッパに行って試合をするのもいいだろう。来日する3チームは全く違うサッカーをする。


 もし、最終予選を突破したら、(W杯が行われる)ロシアで試合をするかもしれない。もちろん、他にも候補がある。われわれは今回ヨーロッパを選んだということだ。大陸の比較で言えば、ヨーロッパが最も優れたサッカーをする。例えばブルガリアは、少し南米に似ていてフィジカル的に強く、意地悪なことをしてくる。南米と試合をするときは、皆さんも想像できないようなデュエルがある。それと比べて、ボスニアはもっとテクニックがある。デンマークは背が高く、パワーがある。この相手にどう対応するのかはオーストラリア対策にもなる。オーストラリアは空中戦が強い。(ティム・)ケーヒルは素晴らしいヘディングを持っているし、FKやCKもうまい。そういった戦いを想定した対戦相手だ。(デンマークと対戦することになったら、)オーストラリアとの対戦を想定して戦っていきたい。


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