18歳フェルスタッペン初Vの3つの要因 今宮純のスペインGPインプレッション
レッドブル移籍後、初レースで勝利を挙げたマックス・フェルスタッペン 【XPB Images】
第5戦スペインGPは、ここまで繰り返されてきたパターンを突き破るゲームで始まった。ピット戦略にも中盤変化が加わり、最後はコース全域で「トップ2」と「セカンド2」の4人がコンマ数秒内のドライバーズレースを展開。あらゆる予測やデータ情報、分析シミュレーションを覆すハラハラドキドキの攻防をリアルに見るF1スポーツの醍醐味。新鮮さと懐かしさが入りまじるなか、10代のフェルスタッペンが勝ってしまった。
新たなマシンで臨んだレース
まわりが騒がしくなった土曜。勝因2は、『落ち着き』。リカルドとの走行データ上の違いはセクター3にあった。それを意識してセッティングをいじると全体バランスが狂う。あせらずに良い部分は生かし、欲をかかずに行くことだ。この見極めが若い未経験者には難しい。父ヨスも元F1ドライバーで、幻に終わった「1999年ホンダF1開発ドライバー時代」がある。ベネトン現役期と違うヨスのテスター能力、その沈着冷静な判断指示能力をマックスはDNAに受け継いでいるのかもしれない。予選では最終的に、先輩に0.407秒の大差をつけられても平然と言ってのけた。「僕は、まだ限界を探る階段を上っているところですから」。こういう言葉を発する落ち着いた態度は並の新鋭ではない。