18歳フェルスタッペン初Vの3つの要因 今宮純のスペインGPインプレッション
迫るライコネンとの競演に勝利
戦略ミスの犠牲となったダニエル・リカルドも、若きチームメイトを祝福する 【LAT】
「トップにいても、あまりナーバスにはなっていなかったです。とにかくセクター3に注意して、最終コーナーではトラクションを心掛けてメインストレート加速を伸ばそうと……」
このコメントからも基本に忠実、絶えずコーナーで左右ミラー・チェックを怠らなかったことが見てとれる。64周目にライコネンは、あたかもあきらめたかのように、いったん1.177秒差に下がった。相手の油断を誘う最後の手で、65周目に0.963秒差に迫ると、66周目ファイナルラップにタイヤはもうボロボロなのに最終攻撃をかけたのだが──。
フェルスタッペン、0.616秒差の1勝目。106人目のウイナーの凄さは105人目のリカルド、その前のパストール・マルドナルド、ニコ・ロズベルグ、マーク・ウェーバー、101人目のセバスチャン・ベッテルらと違い、接近戦を制したことだ。常勝メルセデスが全滅し、首位リカルドが異なるピット戦略を採ったという要因もあるが、18歳ウイナーは勝つべくして勝った。大人のドライバーたちも、この現実を生々しく受けとめただろう。
(文=今宮 純)