18歳フェルスタッペン初Vの3つの要因 今宮純のスペインGPインプレッション

F1速報

迫るライコネンとの競演に勝利

戦略ミスの犠牲となったダニエル・リカルドも、若きチームメイトを祝福する 【LAT】

 勝因3は、『基本に忠実なこと』。終盤47周目からキミ・ライコネンが1秒以内で真後ろにつけ、ミスを誘うプレッシャーをかけてきた。狙った獲物を36歳のベテランは毎周あちこちのコーナーで揺さぶる。具体的には右ミラー、左ミラーに自分を入れ込むように迫り、一瞬見えない真後ろに動いて不安感を抱かせ、ミスを誘う手だ。こういうスキルが絶妙なライコネンの技との競演が続いた。

「トップにいても、あまりナーバスにはなっていなかったです。とにかくセクター3に注意して、最終コーナーではトラクションを心掛けてメインストレート加速を伸ばそうと……」

 このコメントからも基本に忠実、絶えずコーナーで左右ミラー・チェックを怠らなかったことが見てとれる。64周目にライコネンは、あたかもあきらめたかのように、いったん1.177秒差に下がった。相手の油断を誘う最後の手で、65周目に0.963秒差に迫ると、66周目ファイナルラップにタイヤはもうボロボロなのに最終攻撃をかけたのだが──。

 フェルスタッペン、0.616秒差の1勝目。106人目のウイナーの凄さは105人目のリカルド、その前のパストール・マルドナルド、ニコ・ロズベルグ、マーク・ウェーバー、101人目のセバスチャン・ベッテルらと違い、接近戦を制したことだ。常勝メルセデスが全滅し、首位リカルドが異なるピット戦略を採ったという要因もあるが、18歳ウイナーは勝つべくして勝った。大人のドライバーたちも、この現実を生々しく受けとめただろう。

(文=今宮 純)

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