マーリンズ外野陣が好調でチームは上昇 一方でイチローの出番は限定的に…

丹羽政善
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限定的な出場機会の中、8日(現地時間)は「1番・ライト」で先発し1安打を放ったイチロー 【Getty Images】

 マーリンズ・パークのディー・ゴードン(マーリンズ)のロッカーには、まだ彼がそこにいるのでは、というぐらい、生活感がある。脱ぎっぱなしのスニーカー、サンダル、無造作におかれたボディーローション……。
 
 かといって、それらの位置がまったく変わらないので、来ていないことが分かる。ゴードンはルール上、開門までは球場内のトレーニングルームなどで練習をすることができるそうだが、地元記者に聞けば「オーランドの自宅にこもっている」とのこと。しばらくしたら、キャンプ施設があるジュピターで練習を開始するようだが、まだ少し先のことか。
 陽性反応が出たのは、テストステロンとクロステボル。ゴードンは「故意ではない」と声明を発表したが、故意でなければ口に入ることはない薬物とされる。サプリメントの中にたまたま入っていた――ということはあり得ず、仮に風邪薬と渡されたものが、上記の薬物だとしたら話が別だが、その場合、悪意が存在することになる。

 結局、不服申し立てをすることなく処分を受け入れたことで、ゴードンは暗に故意であることを認めたということなのか。そのことが発覚した4月28日(現地時間)の試合後、イチローも言葉少なで、その日は、ドジャースの前田健太と対戦したが、「前田のことはコメントできないですね」とだけ言ったという。

 ゴードンはイチローを慕い、イチローも専用のバットケースをプレゼントするなど、交流を深めてきた。プレースタイルが似る2人には、特別なつながりがあるようにも映った。それだけにイチローとしても言葉がなかったか。
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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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