本田「勝った試合で課題を出した」 W杯アジア予選 シリア戦後のコメント

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本田は自身のゴールよりも「勝てたことがよかった」と試合後コメントした 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 サッカー日本代表は29日、さいたまスタジアム2002でシリア代表とのワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジアカップUAE2019予選に臨み、5−0で勝利した。日本は前半17分にオウンゴールで先制に成功すると、後半に香川真司の2得点に加え、本田圭佑、原口元気もゴールを決め、ゴールラッシュとなった。対するシリアは鋭い攻撃から日本ゴールを脅かすものの、最後まで西川周作の牙城を崩すことができないまま試合終了。2次予選を無失点で終えた日本は、勝ち点を22に伸ばしグループ首位通過を決めた。

 試合後、3点目を決めた本田圭佑は「勝てたことが良かった」と自身のゴールよりもチームの勝利を評価。しかし、シリアにカウンターからたびたびチャンスを作られたシーンについて「絶対にダメだし、褒められるものではないですが、勝った試合で課題を出したのはいい」と振り返り、「攻守において改善しないといけない」と語った。また、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が岡崎慎司を褒めたたえていたことを引き合いに出し、選手へのリスペクトを表した指揮官の対応に「僕はすごく好き」と好感を示した。

本田圭佑(ACミラン/イタリア)

「課題が多い試合だった」

 僕は、カウンターを食らったのは良くないと思います。絶対にダメだし、褒められるものではないですが、勝った試合で課題を出したのはいいと思います。こういうことをやって負けて、ということではないので。決めに行って、実際に決めてもいるので。勝って、しかも無失点でダメなところを話し合えた。ボランチが前にあえて枚数を掛けて、その課題が出たのはいいと思います。マコ(長谷部誠)や、(原口)元気や(山口)蛍が、行くところ、行かないところの感覚をもっとこのレベルで学んでいくことが大事。(学んで)いければ、こんなことにはならない。

(最後に得点を決めたが、そこに至るまでの動きと関連性は?)勝てたことが良かったですね、チームが。でも課題が多い試合だったなと思います。それは個人的にも。もっと簡単に決められたと思いますし、決めさせられたと思います。特に2−0になるまでの戦い方、そして2−0の後の戦い方、攻守において改善しないといけない場面は出たと思います。

(なかなか決められなかったが)決定力って言ってしまえば、そこまでですよね。まあでも勝負強さなんでしょうね。劇的にシュートがうまくなるとか、劇的にシュートのバリエーションが増えるというのは残念ですけれど、ないので。決めるところを決めるとか、当たり損ねでも決めるとか、ここっていうところはまだまだ経験とともに伸ばしていける部分なので。こういうのは、いろいろなものを背負ってやっていくほど強くなっていくものだったりもするので、勝ち方、決め方みたいなのは、もっと高めていかないといけない。若い選手が特に増えてきている中で、そのバランスだと思うので。

 若い選手はフレッシュにプレーできますけれど、逆にそういう経験や勝負強さっていうのは欠けていると思うので、そこを僕が補う。そこでチームが安定したバランスを見せることが大事だと思うので、その質にはやっぱりこだわっていきたいですね。

(岡崎が日本代表100試合出場を果たしたが)好きなのは、監督の対応。サッカー選手で言えばわれわれはベテランの領域に入り始めているわけですよね。でも、日本人は良くも悪くもベテランを大事にしないでしょ。それは別にサッカー界だけでなく、新しい物が好きだから。新しい物を持ち上げて、また飽きたら新しいものという文化があるので。これ(キャプテンマークを巻かせた)というのは、外国人が運んできた、オカ(岡崎)に対するリスペクトの仕方なのかなと。

 ミーティングでも徹底的にオカを褒めていました。それだけキャプテンにふさわしいからキャプテンを渡すと、はっきり全員の前で褒め殺すくらいにオカの偉業をたたえていましたが、こういうことはあまり日本人の管理職の人には見られない。これは僕はすごく好きで、オカはそれだけすごいことをやってのけたと書かれるべきだと思うし、代表で100試合(出場)って、そうそうできることではないので。

香川真司(ドルトムント/ドイツ)

「得点以外でも良い形が作れていた」と試合を振り返った香川(左) 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

「得点以外でも良い形が作れていた」

 前半からすごく良いリズムでプレーできていましたし、みんなの流動性も含めて速いスピードでプレーできていたので、すごくみんなの勢いも感じられて、これは時間の問題で点が入るな、というのは感じていました。1点取った後、2点目をなかなか取れなかったですけれど、それは流れもあるので、しっかりとしのいだ中で2点目が決まったのかなと思います。(得点シーンは華麗なプレーだったが)冷静に打てたと思いますし、良かったと思います。

(結果が欲しいと言っていたが、この試合で2点取った自己評価は?)まずチームが勝つことが第一で、その中で求められるものは結果だったので、それをしっかりと出せたことはすごく評価できると思います。それを次の試合も続けていかないといけない。今日は得点も取れましたけれど、それ以外でも良い形がたくさん作れていたので、そこを評価したいですし、やっていてもすごくみんなの流動性と前に行く姿勢を感じました。守備に目を向ければ、カウンターを受けるシーンはたくさんありましたけれど、そういうところはしっかりと次の試合までに分析してまた成長していきたいと思います。

(以前に「自分は点も取れてゲームメークもできる新しい10番になりたい」と言っていたが)まあ分からないですね。どういう評価をするのかは俺ではないので。代表で2〜3カ月やれないので、特に僕の場合はいかに所属クラブで激しい戦いを制するかが大事。僕らの目標はシリアに勝つことじゃないし、2次予選でもない。やっぱり最終予選も苦しいし、キリンカップもあり、そういう相手に勝ち続けなければいけない。

 そういう意味では、また次の集まった時にひとりひとりが成長して、やっていけるようにしたい。本当に今回の合宿はみんなで刺激をし合った良いキャンプができていたので、そういう良い練習ができたら良い結果につながる、というのは今回感じることができました。しっかりと所属クラブでやることで、また代表で集まった時にしっかり結果を残していけるように頑張っていきたいです。

長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)

「試合運びに課題が残った」と試合を振り返った長谷部 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

「試合運びに課題が残った」

 良い面、よくなかった面の両方が出たと思いますけれど、この段階で課題が出て良かったかなと思います。相手にチャンスを結構作られたので、最終予選に向けてもう1回、修正しなければいけない。このままうまくいくよりはよかったと思います。

(試合前、監督からの指示は)とにかく強度を高くというか、アグレッシブに前から、という形はやっていました。立ち上がりからすごく良い形で入れたと思うんですけれど、30分くらいを過ぎてから少し落ちたかなと。あの強度を90分続けるのは今の自分たちのコンディションとかいろんな部分でまだまだかな、というのはやってて思いました。試合の中で行くところ行かないところをもう少しメリハリつけてやるというか、そういう試合運びに課題が残ったかなと思います。

 でも前半の30分まではカウンターを受ける場面も全然なかったですし、カウンターを受けるまでもなく、前で完全につぶしていました。それはできていたと思うんですけれど、後半あれだけチャンスを作られたのは、とにかくチームとしても間延びしてしまって、ミスから相手にチャンスを与えたというのが2〜3回あった。それ以外のところでも選手の距離感がちょっと遠くなってしまっていたというのはあると思います。

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