手倉森「勝ち急いではいけないと思った」 五輪最終予選 イラン戦後の監督会見
延長戦の末3−0で勝利したイラン戦について、手倉森監督は「勝ち急いではいけないと思った」と振り返った 【写真は共同】
負ければ終わりの一発勝負となるこの試合は、両チームとも硬さが見え、慎重なプレープレーに終始し、0−0のまま延長戦に突入した。迎えた延長戦は、前半6分に日本が豊川雄太のゴールで均衡を破ると、延長後半4分と5分に中島翔哉が連続ゴールを決めて勝負あり。日本がこの世代の鬼門となっていたベスト8の壁を突破し、準決勝進出を決めた。
試合中、手倉森誠監督は84分の失点からイラクに0−1で敗れた2年前のAFC U−22アジアカップ・オマーン大会の準々決勝を思い出したという。当時の経験から、「これは絶対に勝ち急いではいけない。持久戦になれば日本に分が出てくる」と考えていたことを明かした。
途中出場の豊川がゴールを決めたことについては「今日のような得点を思い描いていた」と語り、準決勝に向けて「この勢いをもって、次の試合でリオ五輪行きをしっかり決めたい」と意気込みを語った。
日本は26日に準決勝でUAEvs.イラクの勝者と対戦し、勝てばリオ五輪の出場権を獲得する。
各ポジションでヘディングが強い選手を選んだ
――今日の試合は監督で勝った試合だった。オナイウ(阿道)の先発は私の予想と外れたが、最後まで頑張っていたし、どれだけ苦しくても交代カードを粘って待った。
今日の先発は、各ポジションでヘディングが強い方の選手を選びました。(イランの)高さが怖かったからです。(鈴木)武蔵のコンディションが万全ではない中で、ストーン(CKの守備において、ニアではじき返す役割をする高さのある選手)が必要でした。昨日までの準備では、先発が中島ではなく豊川でした。でも今日の朝「あまりにも高さを怖がって相手に合わせ過ぎたら、勝ち運にも見放される」と思い、一瞬のひらめきで先発を変えました。だから朝、豊川には「スタンバイ(交代選手)でいってくれ」という話をしました。
ゲームがこう着状態になった際、豊川の得点力と先制した後の守備力が効いてくると話しました。 その通りの役割をやってくれました。持久戦で勝てると思ったのは、こっちがうまくメンバーを代えながら、うまく回してここまで来れているのと、後半に少しイランが攻勢に出た後、足が止まり始めたのが見受けられたからです。あとはうちの選手たちは、ホテルでよく飯を食っています。
これからのことも考えて、今日のオーダーを選んだ
まずしっかり回復しないといけないし、対戦相手のチーム分析をしないといけません。ただ、この勢いを持続できるような戦い方に持ち込めればと思いますので、そっちの戦略も作っていければなと思います。
――なかなか攻め手がない中で耐えて、後半終盤に選手を投入する形になった。
延長戦を覚悟しながらも、(後半37分に投入した)浅野(拓磨)は残っている時間で仕留めてくれと送り出した。(後半43分に投入した)豊川は、まずしっかりゲーム終わらせて、延長からやってくれと。これはそのアイドリングだと話しました。今日の先発はいまのベストメンバーというわけではありません。今日イランと戦う上でのベスメンバー。これからのことも考えて、今日のオーダーにしました。
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