DeNA山崎康と楽天・松井、若きクローザーを比較
ルーキー右腕・山崎康(左)と2年目左腕・松井、それぞれの特徴は? 【写真=BBM】
明暗分かれた得点圏での被打率
「WBSC世界野球プレミア12」1次ラウンドの韓国戦(11月8日、札幌ドーム)で見せたように、連打を浴びながらも、得点を許さない粘りが松井の強さだと言える。逆に山崎康は走者二塁、三塁から比較的あっさりと安打を許してしまうことが数字から読み解ける。
ピンチでの松井の“踏ん張り”を支えているのが、三振を取れる点にある。奪三振率(9イニング当りの奪三振数)は平均(パ・リーグ6.93、セ・リーグ7.06)を大きく上回る12.82。山崎康も30イニング以上登板した投手の中では、広島のヒースに次ぐセ・リーグ2位の10.54をマークするが、松井のそれはさらに上をいく。さらに、得点圏から失点しないという部分では、松井は外野フライを打たれる数が少なく、それが犠牲フライでの失点を抑えている。
クローザーの生命線コントロールを比較
安定感があったのが山崎康。ピンチを切り抜ける“瞬発力”を誇るも、同時に不安定さも持ち合わせていたのが松井と、数字からは推測できそうだ。とはいえ、両投手が刻んだ数字はともに甲乙つけがたいほどの好成績。クローザー1年目で期待以上の働きを見せた。山崎康はツーシーム、松井は高校時代の代名詞だったスライダーを封印して、新たに使い始めたチェンジアップが威力を発揮した。各球団が対策を講じてくるであろう来シーズンの2人に注目したい。
特筆すべき弱点を見つけるのが難しい2人だが、調査していくとある共通の課題も見つかった。それは「初球の被打率」。松井裕は3割6分8厘、山崎康も3割3分3厘と他のカウントに比べて圧倒的に打たれている。相手バッターの「追い込まれる前に仕留めたい」という心理、作戦もこの数字に影響しているのだろうが、このあたりをより意識して改善できれば、さらに2人の若き守護神は高みへと上れるはずだ。
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