「占い通り」の蛯名、牝馬GI完全制覇 マリア新女王で新・牝馬の時代は激戦化

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マリアライトGI初挑戦で初勝利

蛯名騎乗の関東馬マリアライトがエリザベス女王杯V、秋の女王に 【スポーツナビ】

 JRA秋の女王決定戦、第40回GIエリザベス女王杯が15日、京都競馬場2200メートル芝で行われ、蛯名正義騎乗の6番人気マリアライト(牝4=美浦・久保田厩舎、父ディープインパクト)が優勝。中団追走から最後の直線でいち早く抜け出すと、外から迫るヌーヴォレコルト(牝4=美浦・斎藤誠厩舎)らを抑えきり、GI初挑戦で初勝利を飾った。やや重馬場の勝ちタイムは2分14秒9。

 マリアライトは今回の勝利でJRA通算13戦5勝、重賞初勝利。騎乗した蛯名はエリザベス女王杯初勝利となり、これで武豊に続く史上2人目のJRA牝馬限定GIレース完全制覇。また、同馬を管理する久保田貴士調教師は開業13年目でGI初勝利となった。

 一方、クビ差の2着には岩田康誠騎乗の1番人気ヌーヴォレコルト、さらにハナ差の3着にはクリストフ・ルメール騎乗の4番人気タッチングスピーチ(牝3=栗東・石坂厩舎)が入線。ライアン・ムーア騎乗で連覇を狙った2番人気ラキシス(牝5=栗東・角居厩舎)は11着、戸崎圭太騎乗の3番人気ルージュバック(牝3=美浦・大竹厩舎)は4着に敗れた。

春先の3月はまだ1000万級だった

3月の1000万級勝利から8カ月でGI馬に上り詰めた 【スポーツナビ】

 エリザベス女王杯の関東馬ワンツー決着は、記念すべき1976年の第1回(1着ディアマンテ、2着ニッショウダイヤ)以来、39年ぶりのことだという。そして先頭でゴールを駆け抜けた馬は、完全復活を期した実績馬のヌーヴォレコルトでもなければルージュバックでもなく、ニューフェイスの関東第3の矢、マリアライトだった。

「長い距離を使い始めてから良くなってきた馬。そうした距離の牝馬限定GIとなると当然ここしかありませんし、春先の1000万特別で強い勝ち方をしてくれたことで、エリザベス女王杯で走らせてあげたいと思い、今年はここを目標にやってきました」

 そう振り返ったのは久保田調教師。春先の1000万特別というのは3月8日に中山競馬場で行われた2500メートル芝の潮来特別のことで、マリアライトはこのレースを3馬身差で快勝している。この勝利がきっかけでエリザベス女王杯を1年の大目標に据えることになったとのことだから、いわばマリアライトにとって潮来特別はターニングポイントの1つになったというわけだ。

 一方、今年3月当時の牝馬戦線はどうだっただろうか、と思い返してみると、古馬路線ではヌーヴォレコルトが中山記念で2頭の皐月賞馬(ロゴタイプ、イスラボニータ)を粉砕し、ルージュバックは2月にきさらぎ賞を楽勝したことですでに“怪物”とも呼ばれていた。また、関西には桜花賞馬ハープスターが健在で、世界を相手にドバイを目指していたところだった。

 そんな勢力図の中、1000万級を勝ったばかりの馬が8カ月後のエリザベス女王杯で関東2強を蹴散らして頂点に立つなんて、想像することすらなかなか難しい。だからこそ、この日のマリアライトの勝利は、現役牝馬の力関係、上下関係を大きく揺るがすインパクト大の勝利となった。

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