ベルギーリーグで成長続ける小野裕二 STVVを選択した理由と誓い
格上アンデルレヒトとの差
小野は今季、STVVで全試合に出場し、レギュラーの座をしっかりとつかんでいる 【Getty Images Sport】
しかし、さすがはアンデルレヒトだった。0−1という僅差だったものの、STVVも小野も、相手チームの激しいプレッシャーの中、思い通りのサッカーをさせてもらえなかった。アウェーの地でSTVVの健闘が光ったとはいえ、終わってみれば2位アンデルレヒトの順当勝ちだった。これでSTVVは順位を2つ落とし、6位に。それでもまだ、プレーオフ1出場圏内である。
何度かアンデルレヒトの選手に削られ、足首の激痛に顔をしかめたこともあった小野だったが、試合後に首の痛みを訴えていた。
「めっちゃ痛かった。寝違いみたいな感じ。相手の99番、くっそ強かった」
アンデルレヒトの99番とは、イタリア代表歴もあるストライカーのステファノ・オカカ・チュカのこと。186センチの長身に、筋肉の鎧をかぶっている。首の痛みがオカカとの1対1から生じたものかどうか、小野自身に記憶は残ってないが、170センチと小柄な彼がオカカを執拗(しつよう)に追い回し背後からファウルしたシーンは、アンデルレヒトのファンも沸かせた。規格外のフィジカルを誇るオカカとの1対1を、小野は「ああいうのは日本じゃ、絶対ないですからね」と振り返っていた。
9試合出場でまだノーゴール
「俺があと3センチでかかったら、多分入っていました。(アンデルレヒトのゴール前が)すごく空いていたし、キーパー(プロト)もハイボールが得意ではないから。ロブもすごく良いボールを蹴ってくれましたし、あとほんの少しでした。ただ、ゴール前でシュートを打つチャンスが最初に比べて増えてきていると思うので、ここで決め切るというところを自分としてはやっていければいいと思います」
確かに小野が、相手ゴール前でシュートを放つシーンは増えつつある。8月29日のルーバン戦(0−1)で、小野は3度の絶好機を迎えていた。9月13日のシャルルロワ戦(1−1)では、右からのクロスをバイタルエリアで、ボレーで合わせたが、惜しくも右へ外してしまった。そろそろゴールが決まるだろうという感触を得ている小野だが、今季9試合出場でまだノーゴールである。