“荒鷲2世”坂口征夫が42歳で初戴冠 HARASHIMAがG1覇者・棚橋に完敗=DDT

高木裕美

42歳にして初のベルトを巻いた“荒鷲2世”坂口征夫は「生きてて良かった」と感無量 【前島康人】

 23日のDDTプロレスリング「両国ピーターパン2015〜DDTより愛をこめて〜」東京・両国国技館大会では、前売り段階でソールドアウトになる超満員札止めの観客を動員。これを受け、次回の来年3月21日には、初の360度全面開放で開催されることが発表された。
 メインイベントのKO−D無差別級選手権試合では、“荒鷲2世”坂口征夫が王者KUDOを破り王座初戴冠。42歳にして初の頂点に立った。

“酒呑童子のアニキ”KUDOを倒しベルト奪取

神の右ヒザ2連発で王者KUDOとの酒呑童子対決にケリ 【前島康人】

 元プロレスラーの“世界の荒鷲”坂口征二を父に、俳優の坂口憲二を弟に持ち、偉大なる2人にコンプレックスを抱きながらも、一度はプロレスラーとしての夢を諦めた坂口。だが、3年前にDDTのリングと出会い、今までの一匹狼としての生き方が急変。酒呑童子の仲間と共に戦うことで、才能が開花し、ついに両国のメインという大舞台まで辿り着いた。

 坂口は、酒呑童子のアニキとして慕うKUDOに対し、あえて「殺し合いをする」と予告。殺気みなぎる視線で鋭い蹴りや関節技を繰り出していくと、KUDOもキック、ヒザ蹴りで対抗。互いの身を削り合うかのような打撃戦の末、KUDOのダイビングダブルニードロップをかわした坂口が、神の右ヒザ2連発で勝負を決めた。

 賞金200万円を酒呑童子3人で山分けした坂口は「42年、生きてて良かった。これからチャンピオンとして、もっと精進していく」と喜びに浸ると「強い立派なアニキ」であったKUDOを倒して巻いたベルトの重みに、「自分もひと回り大きくなれた。DDTでの坂口征夫第一章はこれで終わり。明日から第二章が始まる」と宣言。神輿に担がれ、観客に新王者の勇姿をお披露目すると、勝利の美酒に酔いしれた。

HRASHIMAはハイフライフロー2連発に沈む

HARASHIMAとのエース対決に完勝したG1王者・棚橋 【前島康人】

 セミファイナルでは、HARASHIMAと新日本プロレスの棚橋弘至による注目のエース対決が実現。1週間前に同所で開催された新日本の真夏の祭典「G1 CLIMAX」で優勝し、今もっとも勢いに乗る棚橋は、他団体のリングでもエアギターなどの“逸材スタイル”を崩さず。場外へのハイフライアタック、テキサスクローバーホールド、スリングブレイドなどの大技を繰り出すが、HARASHIMAはハイフライフローを山折りで迎撃。すかさず蒼魔刀、つるべ落としであわやという場面を作るも、棚橋はこれをしのぐと、ダルマ式ジャーマンスープレックスからのハイフライフロー2連発で完勝。棚橋は最後まで握手は拒否したものの、リング上で言葉をかわした。

飯伏&佐々木組がタッグ王座奪取

関本&岡林組を破りKO−Dタッグ王座を奪取した飯伏&佐々木組 【前島康人】

 KO−Dタッグ選手権試合では、飯伏幸太&佐々木大輔組が、大日本プロレスの関本大介&岡林裕二組を破り王座を戴冠。半年に渡り王座に君臨していた最強チャンピオンチームを小さな体で打ち砕いた。
 1カ月前には同所でBJWストロングヘビー級王座を争った王者組は、この日も強烈なパワーと息の合った連係で挑戦者組を圧倒。だが、飯伏は関本の眉山を着地してかわし、最大のピンチを切り抜けると、掟破りのヤリ投げを出してきた関本に対し、何とスワンダイブ式のジャーマンスープレックスという信じられない大技を炸裂。すかさずフェニックススプラッシュでトドメをさし、至宝を団体に取り戻した。

本多がブラジャーマッチを制し初防衛

 KO−D6人タッグ選手権試合後では、チームドリフの石井慧介&入江茂弘&高尾蒼馬組が、男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシ ン&大家健の同級生トリオを退け、4度目の防衛に成功。ササダンゴの煽りパワポにより、「闘魂の遺伝子を継ぐ者」としてアリキックにこだわった大家だが、奮闘むなしく高尾のジントニックに玉砕した。

「目隠し乳隠し タイガートラップルール」という恐怖のルールで争われたDDT EXTREME級選手権試合では、アントーニオ本多がマサ高梨との因縁対決を制し初防衛に成功。シンガポールから弾丸帰国した中澤マイケル、大観衆の前で性癖を暴露した南海キャンディーズの山里亮太さんらの協力を得て、高梨のブラジャーを剥ぎ取ってベルトを死守した。

天龍、里村明衣子にも容赦なし顔面攻撃

天龍は里村明衣子にも容赦なしの顔面攻撃 【前島康人】

 11月15日に同所で引退する天龍源一郎は、高木三四郎&赤井沙希と組んで、石川修司&樋口和貞&里村明衣子組と対戦。自ら先発を買って出ると、何と里村が飛び出して対戦を志願。天龍はグーパンチ、ラリアットから容赦なく顔面を張っていく。さらに天龍は石川と逆水平チョップを打ち合うと、同じ大相撲出身の樋口にはグーパンチを連発。龍魂伝承を志願する赤井にはコーナーからゲキを飛ばし、ペットボトルを投げて喝を入れた。
 赤井が場外へ豪快なプランチャを決め、石川を足止めする間に、天龍と高木が樋口にサンドイッチラリアット。さらに高木がシットダウンひまわりボムでフィニッシュを決め、3人で勝ち名乗りを上げた。

LiLiCoが衝撃のプロレスデビュー

プロレスデビューしたLiLiCoはアジャ・コングのコブラツイストに悶絶 【前島康人】

“肉食系タレント”のLiLiCoがプロレスデビュー。時間差入場タッグバトルロイヤルに出場したLiLiCoは、「顔で選んだ」という宮武俊を従え、アジャ・コング&大石真翔組と対戦。魔女を連想させるかのような黒い全身コスチューム&網タイツで観客の度肝を抜いたLiLiCoは、大石にドロップキック、キャメルクラッチを決めるも、アジャのボディースラム、変形コブラツイストに悶絶。アジャの一斗缶攻撃でダウンする間に、宮武が垂直落下式ブレーンバスターに沈んだ。
 試合後、アジャが素直にLiLiCoのガッツを讃えるも、LiLiCoはその直後にアジャを背後から丸め込む暴挙に出ると、「絶対に取り返してやる!」と絶叫。自身がプロレスデビューを決意するきっかけとなった、アジャの持つアイアンマンヘビーメタル級王座奪回に執念を燃やした。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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