瀬戸大也を復調させたコーチの言葉 世界水泳で日本人初V2の快挙
勝負強さを発揮し、果たした大偉業
得意とする最初のバタフライからトップへ抜け出す。続く背泳ぎではタイラー・クラリー(米国)に抜かれ2位になるものの、平泳ぎで再びトップに躍り出た。最後の自由形では、「とにかくきつかったけれど、抜け出たのが分かった。このチャンスを逃すわけにはいかないと思った」と持てる力を振り絞り、しっかりと逃げ切った。
5日の200メートルバタフライで6位に終わり、同日行われた200メートル個人メドレーでも準決勝敗退と突如不調に陥り、瀬戸の連覇は厳しいと思われていた。しかし、ここで瀬戸は、自身の真骨頂でもあるポジティブさを見せ、わずか3日で見事な立ち直りを見せた。
時には妥協をすることも負けではない
「時には妥協をすることも負けではない。メダルにこだわらずに、今持っている力を出せばいいんじゃないか」
「とにかく、終わったことは仕方がないので、この大会で自分ができる最高のパフォーマンスができるよう、4種目しっかりと整えました。あとはもう、しっかりと自分を信じただけです」
意味の異なる2枚目の金メダル
今大会で試練を乗り越え、金メダルを獲得したことで、瀬戸は大きな自信と経験を手にした。
「こんなにもがいたのは初めてです。しかもこんな大きな大会で経験したので、自信になりました。もぎ取りにいった金メダルなので、2枚目の意味は違います」
新たなメダルと新たな自信を胸に、大也(ダイヤ)の輝きは増すばかりだ。
(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)
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