９月２２日（火・祝）東京・後楽園ホールで開催される「K-1 WORLD GP 2015 〜SURVIVAL WARS〜」のスーパーファイトに出場する木村“フィリップ”ミノルが、２０１４年６月１２日「Ｋｒｕｓｈ．４２」以来、約１年３カ月ぶりとなる聖地・後楽園でび試合へ意気込みを語った。
　現在、対戦相手は未定だが、１１月の王座戦で挑戦が有力がゲーオ・フェアテックスとの前哨戦として、「ゲーオへの挑戦」という言葉を忘れてしまうほどのビッグネームとの対戦を熱望した。

――７月のマサロ・グランダー戦の試合映像はご覧になりましたか?

　はい。最低限勝つ試合をしたって感じで、自分が追い求める試合はできていなかったですね。

――マサロは野杁正明選手に勝った試合くらいしか情報がない相手でしたが、そういう相手に勝てたことについてはどう捉えていますか?

　身体能力的にもすごいものを持っていて、技術的にもトップクラスのものを持っていたと思います。そういう相手と情報なしで戦うというのは過酷で難しかったですね。でもそういう相手にピンチの場面がありながらも勝てたことは自分の中で武器になるかなと思いました。

――木村選手はＫＯ勝ちが多いですし、先にダウンを奪われて延長戦での逆転勝ちという試合もなかったと思います。試合中に焦りを感じることはなかったですか?

　（１Ｒのダウンを）取り返さないと勝てないのは分かっていたんですけど、マサロはガードが固かったので、どうやって崩していこうかな、と思っていました。それで３Ｒにボディーブローや細かいパンチがちょっとずつ効いてきたのが分かったので、ダウンを取れなくてもこのまま攻めきってやろうと思ってやっていましたね。その中でどこかでダウンを取れるだろうって。

――強引に攻めるのではなく、攻め続けていれば倒すチャンスが巡って来るだろうと思っていたわけですね。

　はい。あとマサロは若い選手だからどこかで気持ちが揺らぐ部分があるので、僕が諦めないで攻め続ければそこを突けるだろうと思いました。

――このタイミングでマサロのような未知の強豪と戦って勝ったのは大きな経験になったのではないですか?

　そうですね。すごく自信になりました。

――試合後はいろんな選手から対戦要求される立場になりました。まずは大会の一夜明け会見で−６５ｋｇ王者ゲーオ・フェアテックスから防衛戦の相手として指名されました。

　まあ言うだろうなと思ってましたけど、何か言ってることが偉そうだなって（苦笑）。ゲーオは「俺は本当は負けてない」的な感じで言ってましたけど、僕からしたらゲーオにベルトとファイトマネーを一旦貸しているだけなんで（※１月の代々木大会の前日会見でゲーオが勝者ファイトマネー総取り、木村がタイトルマッチを提案していた）。

――ゲーオ以外には−７０ｋｇ王者マラット・グレゴリアンも試合後のインタビューで木村選手のことを話題にしていました。

　あれはうれしかったですよ。相手にされなくてもおかしくないのに、俺のことを話題にしてくれたから。まあ名前じゃなくて緑の髪のやつって言われちゃいましたけどね（苦笑）。でもグレゴリアンとはめっちゃやりたいし、今はそれでモチベーションが上がっています。今後は６５ｋｇの選手と戦っていくことになりますけど、自分のモチベーションンを上げてくれるという意味ではグレゴリアンの存在は大きいです。

――現役チャンピオン、しかも階級を超えて話題にされているとう部分で、今のＫ−１が自分を中心に回っていると感じることはないですか?

　う〜ん……難しいですけど、これからはもっとそうなるように頑張らないといけないと思います。

――まだまだ物足りないですか?

　そうですね。正直、自分の感覚的には、まだまだ木村“フィリップ”ミノルは替えが利く選手というか、僕の代わりは他にいると思うんですよ。僕はまだそういう立場だから、もっと確固たる、ぶれない存在にならなきゃいけないと思います。もっともっと自分の存在を確立していかないと。

――木村選手はビッグマウスと言われる反面、そういった自分を客観視する目を持っていますよね。

　僕はシビアなんで。他人に対してシビアなことも言うけど、自分自身にもシビアに課題を突きつけて、自分を苦しめてるんですよ。自分で自分を落としていって、そこで悩み込んで考え込んで、答えが出た時が自分がリングに上がる時です。だから自分を客観視することは重要です。

――ではもっともっと他の選手が手が届かないところまで行かないといけませんね。

　今はまだ全然ダメですね。僕が試合をしなかったら暴動が起きるくらいじゃないと（笑）。でもそうなるプランはできていて、ちょっとずつ実行できているんで。長い目で見ていい感じじゃないですか。

――そして９月の後楽園大会への出場が決まりました。８月のＫｒｕｓｈ名古屋大会に出場する野杁正明選手から対戦要求があった中で、結果的には９月のＫ−１後楽園大会にに出場という流れになりましたが、コンディション的な部分が一番の理由ですか?

　そうですね。やっぱり自分はベストなコンディションを作ってファンの前で試合をしたいという気持ちがあるし、自分の身体と相談した時に約１カ月のインターバルでは（ベストなコンディションが）作れないと思ったんです。それでリングに上がるのはファンに対して失礼なことだし、出るからにはベストの状態で前回以上のパフォーマンスを見せるので、９月のＫ−１に出場を決めました。

――木村選手の試合はメイン級の試合になると思いますし、形的には後楽園ホールに戻ってきたことにもなります。そういった部分で試合に臨む心境に変化はありますか?

　もちろんあります。でっかくなって後楽園に帰ってきたことを思う存分に見せなきゃいけないと思うし、代々木第二と後楽園ではお客さんの見方も違うと思うんですよ。僕が後楽園に戻ってきたという見方をする人も少なくないと思うので、今回はそういう見方で楽しんでもらいたいですね。今までも自分の試合で後楽園の雰囲気を変えてきたつもりだけど、俺が出るだけで後楽園がこんなに変わるんだってところを見てもらいたいですね。

――今年はすべての試合で違うシチュエーションで、しかも異なるテーマを持った試合が続きますね。

　はい。モチベーションを途切れさせないことはすごく難しいんですけど、どの相手もトップクラスの選手ばかりで、モチベーションもすごく高いところで保てています。

――去年の１１月に初代王座決定トーナメントで１回戦負けした時からは想像もつかないところに来ましたよね?

　本当そうですよ。あの時の自分が今の自分の人生を想像できたかって言われたら、絶対に想像できていなかったと思います。そう考えると、これから自分の人生で何が起こるかも想像できないし、自分がそういうところにいると思うとワクワクしますね。

――現時点で対戦相手は決まっていない状況ですが、ゲーオとのタイトルマッチにつなげることも含めて、今はどんな想いでいますか?

　６５ｋｇには強い選手がたくさんいて、もしかしたら今回の試合はタイトル挑戦の前哨戦になるかもしれないけど、前哨戦という言葉では片づけられないような強豪と当たることになると思います。だから９月の一戦は自分の人生においての重要な試合になると思います。

――「ゲーオへの挑戦」という言葉を忘れてしまうほどのスーパーファイトが組まれるだろう、と。

　はい。そうじゃないとお客さんも満足しないでしょうし。僕は毎試合が世界タイトルマッチのつもりでやっているんで、それは今回も同じです。

――後楽園のリングで「やっぱり木村は他のファイターと違うぞ」というところを見せたいですか?

　今度は入場を３０分くらいとろうかな（笑）。会見、対戦相手発表、試合前、試合、試合後の一夜明け会見……そこまですべて僕の試合を楽しんでください。


■K-1「K-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN 〜SURVIVAL WARS〜」
９月２２日（火・祝）東京・後楽園ホール　開場１７：００　開始１８：００

【対戦カード】

＜スーパーファイト　Ｋ−１　−６５ｋｇ　Ｆｉｇｈｔ　３分３Ｒ・延長１Ｒ＞
木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/Fighting Kairos/マイウェイジム)
ＴＢＡ※後日発表

＜Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　−５５ｋｇ挑戦者決定戦　３分３Ｒ・延長１Ｒ＞
ダニエル・ウィリアムス(オーストラリア/Kao Sok Muay Thai Gym)
チャールズ・ボンジョバーニ (フランス/Tiger’s Den)

＜スーパーファイト　Ｋ−１　−７０ｋｇ　Ｆｉｇｈｔ　３分３Ｒ・延長１Ｒ＞
松倉信太郎（日本／ＴＲＹ　ＨＡＲＤ　ＧＹＭ）
ティエン・シン（中国／武漢唐龍泰拳倶楽部）

＜Ｋ−１　−６５ｋｇ　Ｆｉｇｈｔ　３分３Ｒ・延長１Ｒ＞
平本蓮（日本／チームペガサス）
和氣光春（日本／ＴＡＮＧ　ＴＡＮＧ　ＦＩＧＨＴ　ＣＬＵＢ）

＜Ｋ−１　ＨＥＡＶＹＷＥＩＧＨＴ　Ｆｉｇｈｔ　３分３Ｒ・延長１Ｒ＞
杉本仁（日本／シルバーウルフ）
木村秀和（日本／ＨＡＬＥＯ　ＴＯＰ　ＴＥＡＭ）

＜Ｋ−１　−５５ｋｇ　Ｆｉｇｈｔ　３分３Ｒ・延長１Ｒ＞
出貝泰佑（日本／ＴＥＡＭ　ＧＹＡＫＵＳＡＮ）
伊藤佑一郎（日本／池袋ＢＬＵＥ　ＤＯＧ　ＧＹＭ）

＜Ｋ−１　−７０ｋｇ　Ｆｉｇｈｔ　３分３Ｒ＞
神保克哉（日本／Ｋ−１ジム目黒ＴＥＡＭ　ＴＩＧＥＲ）
靖仁（日本／錬空武館高久道場）