小笠原道大が2025年パ・リーグの順位を予想 甲斐、朗希が抜けた穴をどう見る?
<小笠原道大氏パ・リーグの順位予想>
1位:北海道日本ハムファイターズ
2位:福岡ソフトバンクホークス
3位:千葉ロッテマリーンズ
4位:東北楽天ゴールデンイーグルス
5位:埼玉西武ライオンズ
6位:オリックスバファローズ
1位予想は投打で戦力充実の日本ハム
9割5分ぐらいは「期待を込めて」ですが、客観的に見ても、優勝を狙える戦力は整ってきています。先発陣は伊藤大海投手を軸にしながら、加藤貴之投手、山﨑福也投手、金村尚真投手ら、タイプの違う投手が揃い、1年間ローテーションを回せるだけの厚みがあります。
――野手陣は、若手が続々と育ってきている印象です。
水谷瞬選手、万波中正選手ら、一発長打のある選手がいるので、ハマったときの強さはソフトバンク以上かもしれません。清宮幸太郎選手は、彼本来の良さである“柔らかさ”が戻ってきた印象があります。若い選手が多い分、まだ安定感に欠けるところがありますが、それも伸び代と捉えることもできます。
――優勝のキーマンを挙げるとしたら、誰になるでしょうか。
クリーンアップ候補の野村佑希選手です。ずっと期待されていますが、シーズン通してまだ満足のいく結果を残せていません。野村選手が打てば、得点力が上がるのは間違いないでしょう。あと、個人的に注目したいのは、新庄剛志監督が誰を正捕手に据えるかです。バッティングの状態やピッチャーとの相性を見ながら起用するとは思いますが、「この選手で戦う」という柱を決めたほうが、チームは回りやすくなるはずです。
優勝のカギは甲斐に代わる正捕手
この2球団による優勝争いで、僅差の戦いになるでしょう。戦力を見れば、ソフトバンクに分がありますが、栗原陵矢選手が開幕に間に合わないなど、どうしても不安な要素が見えてしまいます。それでも、新しい選手がどんどん出てくるのがソフトバンクの特徴なので、「若手はチャンス」と考えることもできます。
――打の柱となる近藤健介選手が、昨年自身初の首位打者を獲得しました。年々長打力がアップしているように見えますが、小笠原さんはどう見ていますか?
ホームランに関しては、PayPayドームをホーム球場にしている利点もあると思います。技術面で見ると、高めのさばきがうまくなっていますね。今まではベルトから下を長打にしていましたが、近年は高めもスタンドに放り込める。ケガがなければ、今季もタイトル争いに絡んでくるでしょう。
――1位予想の日本ハムをひっくり返すとしたら、誰がカギを握るでしょうか。
「誰が」というよりは、キャッチャーですね。甲斐拓也選手が抜けた穴は、かなり大きいと見ています。嶺井博希選手、海野隆司選手、渡邉陸選手らの名前が出ていますが、誰が正捕手になり、どのぐらいの数字を残すのか。ここが「優勝のカギ」になると見ています。
大崩れしないのがロッテの強さ
毎年感じることですが、ロッテは投打のバランスがいいですよね。優勝できるほどの突出した力は感じませんが、Bクラスに落ちるほど弱いわけではない。チーム全体で平均点が高く、大崩れしないところが、ロッテの特徴だと思います。
――佐々木朗希投手が抜けた穴はどんな影響を及ぼすでしょうか。
いてくれたほうがいいのは間違いありませんが、1年間ローテーションを回った経験がないですよね。代わりに3人の投手で3勝ずつできれば、計9勝。吉井理人監督はピッチャー出身なので、上手にやりくりしていくと思います。それに、ソフトバンクから石川柊太投手を補強できたことでのプラス要素もあるはずです。曲がり幅の大きい独特のカーブは、風の強いZOZOマリンでより生きてくるのではないでしょうか。いい方向にハマる可能性があります。
――野手陣では、新人王候補にも挙がる西川史礁選手に期待がかかります。
1年目なので過度な期待をかけるのは酷ですが、バッティングに関して非凡なものを持っているのはたしかです。ロッテの外野陣は競争が激しいので、吉井監督が誰を起用していくか。昨年活躍した岡大海選手も元気ですからね。投手にも野手にも言えることですが、力を発揮しやすい場所を見極めながら、適材適所で起用するのが本当にうまいチームです。日本ハム、ソフトバンクに食らいつき、パ・リーグをかき回す戦いに期待します。
選手層の差で楽天は4位予想
CS争いには絡んでくると思います。少し前の日本ハムに近い感じで、「これから」という若手がひしめき合っている印象があります。その中で、打線の軸として成長したのが辰己涼介選手や小郷裕哉選手で、打てるキャッチャーとして期待がかかるのが安田悠馬選手。ルーキーの宗山塁選手は、守備が注目されていますが、打つほうでもそれなりの数字を残すと思います。手の使い方が柔らかく、バットコントロールのうまさが光ります。
――投手陣はいかがでしょうか。
早川隆久投手が一本立ちして、中継ぎでは藤平尚真投手が本格化してきました。ただ、絶対的な投手層を考えると、上位予想の3チームとは差があります。このあたりが4位に予想した理由です。
――指揮官には三木肇監督が復帰しました。
もともとはファームで指揮を執っていたので、若手が成長する過程を目の前で見てきた監督です。そういった意味で、若い選手を積極的に使っていくかもしれません。セ・リーグのときにもお話しましたが、監督が代われば、今まで出場機会が少なかった選手には大きなチャンスになります。