FOB会選手がエコステーションに登場! 根底にあるのはクラブ愛

川崎フロンターレ
チーム・協会

【©KAWASAKI FRONTALE】

11月1日(金)、明治安田J1リーグ第35節vs鹿島のホームゲームイベント内にて「FOB会川崎フロンターレ選手OBによるゴミ分別・エコステーション」が設置された。そこに駆けつけたのは1998年にジャパンフットボールリーグ(旧JFL)時代のフロンターレに加入し、J2・J1時代も経験した大石鉄也、50メートルを超えるロングスローと長身を武器に2005年から2年半在籍した大久保将人、2004年のJ1昇格に貢献し、試合後のマイクパフォーマンス「岡山劇場」で人気を集めた岡山一成、2018年から1年間所属してチームに貢献した赤﨑秀平の4人。彼らはどんな思いをもってこの活動に参加してくれたのだろうか。

ゴミ分別の大切さ

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今年5月、さらにフロンターレが川崎市民・地域に愛され、親しまれ、誇りとなるクラブになるように、活動支援やクラブを通じた社会貢献活動やホームタウン活動、チャリティ活動などへの寄与を目的にフロンターレ選手OBによる「FOB会」(KAWASAKI Frontale OB会)が発足した。今回は10月12日(土)にAnker フロンタウン生田で開催したファン交流会を経て、ホームゲームイベントでゴミの分別を呼びかける活動に参加した。

近年のJリーグではゲリラ豪雨などで中止になった試合は2018年以降5倍となっており、酷暑・猛暑による飲水タイムなど導入・選手のパフォーマンス低下といった試合をするうえでも気候変動は1つの問題になっている。

そこで身近なことから取り組めるのがCO2排出を少しでも抑えられるゴミの分別。それこそU等々力で開催されたJ1リーグ第17節の名古屋戦を例に挙げると、来場者19,463名とスタッフ・イベント業者の約500名から可燃ごみ(プラごみ含む)1,790kg、ペットボトル140kg、カン90kg、ビン5kg、段ボール230kgという大量のゴミが出たが、分別が不十分だったという結果が出たように、まずは自分たちから気候変動・環境問題に対してアクションを推進していこうと今回はゴミの分別を呼びかけるエコステーションを設置している。

かつてフロンターレでプレーした選手たちが呼びかけをしてくれることでサポーターも自然と集まり「呼びかけることで分別にも協力してくれたので、今回をキッカケに意識してくれたら嬉しいです」と大久保将人が笑顔を見せていたように、積極的にゴミの分別に協力してくれた方が多かったのが印象的だった。

「僕自身、フロンターレのホームゲームを含めてJリーグの試合でキッチンカーを出店させていただいていますが正直ゴミに関しては、すべてを分別するのは簡単ではないと思います。でも今日は色んな方が分別に協力してくれましたし、僕たち選手OBが呼びかけることで普段の生活から気をつけてもらえたら嬉しいです」(岡山一成)

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「僕は筑波大学大学院でSDGsのことを勉強していますが、いまサッカー界にとっても気候変動が問題になっています。夏場は気温が上昇してプレーしにくい環境にもなってきているので、少しでも気温上昇を抑えられるように僕たちができることをやっていきたいです」(赤﨑秀平)

クラブ愛

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ゴミ分別の呼びかけをするだけでなくサインをしたり記念撮影をしたりとフロンターレで愛されてきた選手たちとサポーターが交流している光景はFOB会が発足されてよかったなと思えるシーンである。

ただ、現役引退後はそれぞれのセカンドキャリアで仕事もしているなかで参加するのだから、休日が潰れてしまうのと同じこと。それでも声をかけられれば「行くよ!」と嫌な顔ひとつせず協力してくれる。なぜなのか──。素朴な疑問を選手OBにぶつけてみると全員が口を揃えて言っていたのは「恩返し」や「愛」というワードだった。

「お世話になったクラブに恩返しができるのであれば自分にできる限りのことを精一杯していきたい思いです。FOB会に入っている人はみんな積極的だし、個人としても久々に会える人もいるから楽しいんですよ。僕が在籍していた時期はJ1とJ2を行き来する大変な時期でしたが、あれからフロンターレはどんどん強くなっていきました。本当にフロンターレは自分の誇りです」(大石鉄也)

「多分、ファンの方からしたら試合に出て活躍してきた選手が来てくれたほうが嬉しいと思うけど(笑)、僕に何か手伝えることがあるなら協力をしたい。フロンターレに恩返しをしたい気持ちもありますし、何よりも愛がありますから。だから声をかけてくれるなら一生懸命やりますよ」(大久保将人)

「自分も含めてですがフロンターレに対する愛情の深さがあるから活動に参加させていただいいています。サポーターの方々が僕たちのことを覚えてくれていて声をかけてくれるのが嬉しいですし、お世話になったクラブなので何か協力できることがあれば恩返しをしていきたいんです」(赤﨑秀平)

「フロンターレのよさはサポーターとの距離が近いこと。だから今回のようにサポーターの皆さんと積極的に関わって一緒に活動していくのは素晴らしいですよね。僕もフロンターレに対して恩返しをしたい気持ちもあるし、できる限りのことは協力していきたいと思っています」(岡山一成)

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現在FOB会で情報のやりとりしているLINEグループは約160人いて、まだまだ人数が増えているそう。「これから富士通サッカー部に所属していた方もOB会に参加していいと思うし、もっとOB会の輪を広げて大きくしていけたらいいですよね。あと最初の活動がAnker フロンタウン生田で交流会でしたけど、次は等々力でできたら最高じゃないですか?」と岡山一成が話すように、フロンターレに関わってきた方全員で盛り上げることができたら、サポーターも喜んでくれるだろう。

一緒にプレーした経験がない人もいるが共通してあるのはフロンターレへの愛。これからも川崎市、フロンターレをさらに盛り上げてくれるFOB会の活動に注目だ。

(取材:高澤真輝)
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著者プロフィール

神奈川県川崎市をホームタウンとし、1997年にJリーグ加盟を目指してプロ化。J1での年間2位3回、カップ戦での準優勝5回など、あと一歩のところでタイトルを逃し続けてきたことから「シルバーコレクター」と呼ばれることもあったが、クラブ創設21年目となる2017年に明治安田生命J1リーグ初優勝を果たすと、2023年までに7つのタイトルを獲得。ピッチ外でのホームタウン活動にも力を入れており、Jリーグ観戦者調査では10年連続(2010-2019)で地域貢献度No.1の評価を受けている。

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