B MY HERO!特派員の豊嶋彬です。昨シーズンまでは横浜ビー・コルセアーズのアリーナMCを担当していましたが、今シーズンからセーリングナビゲーターとして、クラブ公式のSNSをはじめとする様々なチャンネルからチームや選手たちの魅力を発信しています。

　今回はみなさんが注目する河村勇輝選手について、クラブのスタッフだからこそわかる、感じることをお伝えしたいと思います。

　2020年12月19日、横浜ビーコルセアーズへ特別指定選手として河村勇輝選手の加入が発表。

　トップシークレットのホームゲーム会場でのサプライズ発表であったため、実は当時MCだった私も当日の朝に聞かされ、にわかに信じられないままでした。

　そして発表の瞬間、「河村勇輝選手です!!」とマイクを通して言いながら、心の中では「本当に出てくるの？」「うわっ！ほんとに出てきたわー！」なんて思ったのがちょうど約2年前。

　ここからが伝説が生まれていくスタートと言ってしまっても過言ではないと思います。

　加入後は早々からプロ選手をものともしない大学生らしからぬワクワクプレーを連発。

　改めて説明する必要もありません。

　その後、大学を中退してプロ選手としてのキャリアをビーコルでスタート。

　そこからの輝かしい活躍ぶりも敢えてここで私から説明する必要はありません。

　皆さんがご存知のとおりです。

　特に今シーズン、止まらない進化でビーコルにとっても新しい景色をたくさん見せてくれています。

　これまで見たことのないようなパスの数々、ファストブレイクの速さ、クラッチタイムのビックショット――。

　ビーコルの選手としての日本代表選出と活躍、クラブとしても初めての宇都宮ブレックスからの勝利、天皇杯クォーターファイナル進出、レギュラーシーズンの試合でもクラブ史上初の連勝記録樹立など、まぁ書ききれません。

　クラブでの記録や勝利はチームメイト含めた全員で掴み取ったものですが、その中心に河村勇輝選手がいることは間違いありません。

　でもまだプロとしては1年目のシーズン。

　ここからどんな世界に連れて行ってくれるのか楽しみしかありません。

　バスケット以外の競技を見ても、2022年にはメジャーリーグ・大谷翔平選手の「2桁勝利＆2桁本塁打」と「規定投球回＆規定打席」のダブル達成や、ボクシング・井上尚弥選手の日本人初4団体統一王者、サッカーW杯での日本代表の優勝経験国を撃破など、様々な競技で怪物アスリート達が前人未到の新しい景色を見せてくれました。

　自分がこの世代に生きていて、リアルタイムにそういった場面を見られたことにいつも感動をもらっています。

　そしてまさに河村勇輝という選手はここに挙げた選手たちと同じようにこれまで見たこともない世界に連れていってくれる、リアルタイムで見られてよかったと思わせてくれる選手になってくれると確信しています。

　そして、注目度が高いからこそ河村選手はやはり様々な媒体に登場してるのも皆さんのご覧の通り。

　私自身も試合後などインタビューしたことがこれまでもありますが、やはり独特のオーラを感じます。

　試合の結果に関わらず、しっかりとバスケットに向き合う姿勢、勝利への執念、目標への明確なビジョンが言葉のひとつひとつからしっかりと伝わってくる瞬間が多いです。

　こういったインタビューの際の隙のなさというか、良い意味での近寄り難さといった所に独特のオーラを感じているのかもしれません。

　これも高校、大学などから、トップを走り続けてきて、なおかつ厳しい指導のもとでバスケットをしながら育ってきた事から生まれる意識の高さなのかなと想像しています。

　ただ、実はちょっと天然な側面もたくさんあるという話も結構聞きますので、今後そういったレアな瞬間がもしあったのなら、ぜひ皆さんも見逃さないようにして下さい（笑）。

　そんな河村選手とのやり取りの中で印象的な事を一つ。

　加入初期の頃、その時も良い緊張感のあるインタビューの際の一コマですが、何気なく河村選手が「豊嶋さん」と名前を言ってくれた瞬間がありました。

　本当に何気ない一瞬の出来事でしたが、自分は平静を装いながらも、名前を覚えてくれてると心の中で感激しちゃったのを忘れません。

　チームメートでありながらも、日本代表での活躍や世の中の注目度を肌で感じているので、不思議な感覚でした。

　河村選手自身にとってはもしかすると当たり前のことなのかもしれないのですが、やはり周りへの気遣いやリスペクトを感じさせてくれる存在です。

　インタビュー等で関わった他の人たちにも同じような印象を持った人は少なくないはずです。

　プレーで魅了し、記録にも記憶にも大きなインパクトを残し続ける、そしてトップ選手としての意識の高さやオーラを纏い、周りへの気遣いとリスペクトを持つ。

　この計り知れない21歳の河村勇輝という男がどこまで伝説を作ってくれるのか。

　楽しみしかありません。

1983年、神奈川県出身。趣味はランニング（目標はフルマラソン完走）、金魚の飼育。横浜ビー・コルセアーズのアリーナMCは2011年から担当。バスケットボールのほか、サッカー、バレーボール、ラグビーなどのスポーツ関連の会場MCを中心にテレビ、ラジオでも幅広く活躍中。

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