「どうしたらB.LEAGUEは盛り上がるの?」B.LEAGUEを100倍盛り上げる方法!【B MY HERO!】

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【B.LEAGUE】

B.LEAGUEを100倍盛り上げるためにはどうしたらいいのか?

 B MY HERO!特派員の鈴木慶太です。その昔、「プロ野球を10倍楽しくみる方法」という本がベストセラーとなりましたが、今まさに、日本のプロバスケットボール、B.LEAGUEを100倍盛り上げたい時期にきています。来夏にはFIBAワールドカップが沖縄で開催されますし、2026年には、B.LEAGUE新リーグ構想が控えているからです。そこで、今回は、B.LEAGUEを100倍盛り上げるためにはどうしたらいいのかを考えていきたいと思います。

 一般にプロスポーツチームの収入は、主に次の“4本の柱”と密接な関係にあると言われています。「チケット売上による入場料収入」「放映権料収入」「グッズの売上による収入」「スポンサー・広告料による収入」です。その中で、最も重要なのが、「チケット売上による入場料収入」になります。その理由は明白で、チケットが売れて人が集まれば、グッズや飲食物も売れる。さらに人が集まり話題となれば、メディアへの露出も増え、相乗効果としてスポンサーがつき、広告収入も増えるからです。もちろん、「人が集まれば試合も盛り上がる」ので、イコールB.LEAGUEを盛り上げることにつながるのです。

アリーナに何人集まれば盛り上がるのか?

 人が集まることが、リーグを盛り上げることにつながることはわかっていただけたと思います。では、具体的に何人集まればいいのでしょう? 2026年度、B.LEAGUEの新リーグ(B1)入会基準に、入場者数1試合平均4,000人という数字があります。プロ野球の1試合平均24,558人、Jリーグの14,326人と比べたらそれほど高いハードルではないように思えますが、(コロナの影響を受けた)昨シーズンのB.LEAGUE1試合の平均入場者数1,983人を考えたら、各チーム、集客活動にもう一踏ん張りする必要がありそうです。そもそも、なぜチームは人を集めなければいけないのでしょう。そこには、「クラブ経営」というシビアな現実が見えてきます。新リーグ(B1)入会基準の一つには売上面の目標もあり、クラブの年間売上高12億円以上という数字も既に掲げられていて、それをクリアするために、“1試合平均4,000人”という観客動員数が導き出されているのです。

琉球ゴールデンキングスのホーム、沖縄アリーナの盛り上がりは欠かせないもの 【(C)B.LEAEGUE】

どうしたら人はアリーナに足を運んでくれるのか?

 先日ある学会で、同志社大学の大西優衣さんが、B.LEAGUEの入場者数に影響を及ぼす要因に関して発表されました。その内容は、入場者数の決定要因は、“勝率と収容人数の他に、SNS(特にInstagram)とアリーナへのアクセスの利便性に相関が見られる”という興味深いものでした(https://sports.doshisha.ac.jp/news/2022/1104/news-detail-280.html)。

 人はどうしたらアリーナに足を運んでくれるのでしょうか? 人が物を購入する消費者行動には、認知段階(知ってもらう)・感情段階(買ってみたい等と思う)・行動段階(購入)の3段階があります)。実際にアリーナに足を運ぶまでには、まず「認知」、B.LEAGUEの存在と、試合情報やアリーナ情報などを知ってもらうこと。次に「感情」、B.LEAGUEが世間の話題になり、人々の興味をそそること。そして「行動」、知人から誘われたりしながらでもチケットを購入し、アリーナに足を運ぶ、という手順(足順?)が必要です。それらを経て、アリーナに足を運べば、迫力あるプレーの数々と、残り1秒まで勝敗がわからないドラマ性が、メモリアルな体験を作り出してくれるでしょう。

 11月20日、第6節大阪エヴェッサvs富山グラウジーズGAME2の残り5秒、67-66、大阪が1点リードの攻撃中、痛恨のターンオーバーからファールを犯し、富山に2本のフリースローを与えてしまいました。ここは富山が追いつく絶好のチャンス! 誰もがそう思いましたが、大阪ブースターが、「ハリセン」で必死の応援、なんと! 富山はフリースローを2本とも落としてしまったのです。結局試合は、大阪が逃げ切り勝利しました。ハリセンだけが勝因ではありませんが、大阪ブースターの皆さんの一体感は素晴らしいものでした。おそらく、大阪ブースターの皆さんは、「うち(私)がハリセンで応援したから、相手はフリースローを外したんやで!」と満足げにアリーナを後にしたことでしょう。

11月20日の大阪vs富山では大阪ブースターの一体感で勝利を収めた 【(C)B.LEAEGUE】

大事なことは、ブースター自身が盛り上げていくという姿勢

 今回は、B.LEAGUEを100倍盛り上げるためにはどうしたらいいのかを考え、そのためには、人が集まることが大切だと述べてきました。アリーナではブースターの皆さんが、試合を盛り上げて雰囲気を作るという姿勢も大切です。そして、チームや選手と感動を共有できた時、本当にバスケットボールが文化として地域社会に受け入れられ、子どもたちに夢を与えるツールとなり得るのではないでしょうか。

 そう、B.LEAGUEを100倍盛り上げるためには、SNSで情報を入手し、家族や友人知人を誘ってアリーナに足を運び、応援グッズを買って、ビールでも飲みながら、“思い切り楽しむこと”が一番なのです!

鈴木慶太(B MY HERO!特派員)

【(C)鈴木慶太】

昭和44年静岡県浜松市生れ。
高校(浜松西高)、大学(日本体育大)、実業団(松下電器)と16年間バスケットボール部のマネージャーを務める。
スポーツバー経営、大阪の中学校・高校教員を経て、現在は大阪体育大学大学院でスポーツマネジメントを勉強中。桃山学院教育大学女子バスケットボール部コーチ、B.LEAGUEコメンテーター、YouTuberと多彩な顔を持つが、実際は4人の男児の育児に追われる毎日。

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