「アカデミーにより目を向けていただきたい」「選手個々の成長を見守ってほしい」。アカデミーサポートクラブ誕生に込める柳沢敦ユース監督と小笠原満男テクニカルアドバイザーの思い。

鹿島アントラーズ
チーム・協会

【©KASHIMA ANTLERS】

鹿島アントラーズは、2023年より新たにアカデミーサポートクラブを新設する。アカデミー(育成組織)を支援するファンクラブカテゴリーとなり、クラブ史上初の試みだ。会費はアカデミーの活動・強化資金として活用され、アントラーズのトップチーム昇格を目指す子どもたちの支援となる。11月1日から募集が開始されたアカデミーサポートクラブについて、クラブの下部組織で指導を行う柳沢敦ユース監督と小笠原満男テクニカルアドバイザーが思いを明かした。

「選手たちにとってプラスに働くことはすごく多いはず」 柳沢敦ユース監督

 ”未来のアントラーズを背負って立つ選手たちの成長過程を見届けてもらいたい”
 クラブの成長と発展に向けた新たな取り組みが始まった。

 未来のアントラーズを背負って戦うため、アカデミーの選手たちは日々フットボールに打ち込んでいる。スクール、ジュニア、ジュニアユース、ユースの各カテゴリーで、幼稚園児から小学生、中学生、そして高校生までの子どもたちが切磋琢磨する。そんな彼らをサポートするためのファンクラブカテゴリーが誕生した。その名も、「アカデミーサポートクラブ」だ。

「世界を見渡せば、プロフットボールクラブのアカデミーで育った選手が数多く活躍しています。アントラーズもトップチームの主役を担うような選手をアカデミーからより多く輩出したい思いで取り組んでいます。クラブがアカデミーの重要性を認識し、アカデミーサポートクラブを立ち上げてくれたことで、多くの方々にアカデミーのことをもっとよく知ってもらい、より応援してもらいながら、いい選手を育てていくことができるので、とてもありがたいです」

 アントラーズユースを指揮する柳沢敦監督は、そのようにアカデミーサポートクラブの意義をとらえている。2019年からアカデミーの指導に携わり、今年で4年目。育成年代の選手たちの成長過程や、指導者として向き合うなかでの難しさを目の当たりにしてきた。それらの経験から、アカデミーサポートクラブの会員に付与される「ACADEMY FREAKS」(デジタル会報誌)配信、会員限定オンラインイベント、試合動画配信の3つの特典がアカデミー生にもたらす効果にも期待を寄せている。

「(アカデミーサポートクラブの特典を通じて)注目される機会が増えることによって、選手たちの間で競争力も高まるだろうし、また、彼らは“そういう環境のなかでやりたい”“多くの人に自分のことを知ってもらいたい”と思うようにもなるでしょう。選手たちにとってプラスに働くことはすごく多いはずです」

 柳沢ユース監督は、現役時代はアントラーズや日本代表の中心選手として活躍し、2度のワールドカップ(2002年、2006年)も経験したトッププレーヤーだ。その経験から、選手の言動が世間に与える影響力を熟知しており、アカデミーサポートクラブ特典の一つである「ACADEMY FREAKS」においては、選手たちの発信力を促す役割を果たすことも考えている。

「世界のスーパースターの影響力がすごく大きいように、プロ選手になってより高いステージに行けば行くほど、その選手の言葉の一つひとつに重みが増し、いろいろな人たちに影響を与えていきます。だからこそ、責任を持った発言が大事になる。そのための準備の機会にもなるのではないかと思います」

アントラーズユースを指導する柳沢監督 【©KASHIMA ANTLERS】

「選手たちの成長した姿を見せてあげることも僕たちの役割」 小笠原満男テクニカルアドバイザー

 アカデミーサポートクラブの価値を感じているのは、柳沢ユース監督だけでなく、小笠原満男テクニカルアドバイザーも同じだ。2018年に現役生活に幕を下ろすと、翌年からアントラーズアカデミーのアドバイザー(当時)として育成部門指導に携わってきた。

「何より、アカデミーの選手たちのことや、その活動を知ってもらえることが一番のメリット。ユースの選手をはじめ、アカデミーで頑張っている選手たちを知ってもらう機会がそんなに多くはないなかで、発信する場が設けられることは貴重です。プロを目指そうと頑張っている選手たちにとっては、いろいろな人たちから見てもらえることによって、より本気度も上がっていくのではないかと思います」

 柳沢ユース監督とともに、現役時代はアントラーズや日本代表の一時代を築いた小笠原テクニカルアドバイザー。その経験も糧にしながら、現在はユースチームのみならずアカデミー全体の指導を行っている。アカデミーに携わる身としてはもちろんのことだが、小笠原テクニカルアドバイザーはファン・サポーターの目線も推察しながら、アカデミーサポートクラブの今後を見据える。

「アントラーズのファン・サポーターのなかには、アカデミーのことをもっと詳しく知りたいけれど、なかなか情報がないと感じている人もいるのではないかと思っています。土日であればトップチームのJリーグの試合と重なり、アカデミーの小中高生の試合を見に行きたくてもなかなか行けない状況も生まれるだろうから、(アカデミーサポートクラブの特典である)試合の動画を配信してくれたりすることも、とてもありがたいことです。“この選手が点を取ったんだ”とか、“この選手がこの試合に出ているな”、“この選手は今、なかなか苦しんでいるな”って、映像を見ることで知ってもらえると思うので。選手の能力を伸ばしてあげることだけでなく、応援してくれる人たちに選手たちの成長する姿を見せてあげることも楽しみになるだろうし、その成長した姿を見せるのも、僕たちコーチングスタッフの役割です」

アントラーズユースを指導する小笠原テクニカルアドバイザー 【©KASHIMA ANTLERS】

 すでに11月1日から、2023年のアカデミーサポートクラブの会員募集が始まっている。これまでにはなかった“新しいアントラーズをサポートする形”として産声を上げたファンクラブカテゴリーの誕生により、ファン・サポーターはトップチームだけではない“アントラーズ全体の姿”を、より身近に感じられることだろう。クラブでは2023年に向けて、SNSなども含めてアカデミーの情報発信を強化していく方針だ。より広く多くの人にアントラーズアカデミーの情報を届け、そこから興味を持ってくれたファン・サポーターにアカデミーサポートクラブに入会してもらうことで、より深く、より密度の濃いコンテンツを届ける――。そんなサイクルが、動き始める。

「未来のアントラーズの主役となるような選手を育てていけるように、アカデミー全体で取り組んでいますので、そこにより目を向けていただきながら、そこも含めたアントラーズ全体を応援していただけるとありがたいです」(柳沢ユース監督)

「“ユース、頑張れ”、“この選手を応援したい”って、応援の仕方はいろいろとあると思うので、まずは興味を持ってくれるところから、その人なりの楽しさを見つけてもらえたらうれしいです。全員がプロになることは難しい世界だけれど、アカデミーで頑張る選手一人ひとりを応援してもらい、個々の成長をぜひ見守ってほしいと思います」(小笠原テクニカルアドバイザー)

 これから先もアントラーズが輝かしい栄光を手にしていくために、柳沢ユース監督や小笠原テクニカルアドバイザーらのもとで、毎日のように緑のピッチで汗を流すアカデミーの選手たち。そんな彼らを支えていくことが、他ならぬアカデミーサポートクラブの役目となる。

 アントラーズの未来を、ともに――。

【©KASHIMA ANTLERS】

2023アカデミーサポートクラブへのご入会を募集中!

アカデミーサポートクラブでは、月刊「FREAKS」のアカデミー版となる会報誌「ACADEMY FREAKS」を年3回にわたってデジタル配信するほか、会員限定オンラインイベントの開催、各カテゴリーの試合の様子を試合動画をオンライン配信(LIVE&アーカイブ)する特典を用意しています。
会費:5,000円(税込)
会員有効期間:2023年1月1日(日・祝)〜12月31日(日)
ご入会は下記関連リンクから!
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著者プロフィール

1991年10月、地元5自治体43企業の出資を経て、茨城県鹿島町(現鹿嶋市)に鹿島アントラーズFCが誕生。鹿角を意味する「アントラーズ」というクラブ名は、地域を代表する鹿島神宮の神鹿にちなみ、茨城県の“いばら”をイメージしている。本拠地は茨城県立カシマサッカースタジアム。2000年に国内主要タイトル3冠、2007~2009年にJ1リーグ史上初の3連覇、2018年にAFCアジアチャンピオンズリーグ初優勝を果たすなど、これまでにJリーグクラブ最多となる主要タイトル20冠を獲得している。

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