「目標の先を目指せば、目標は簡単に超えられる」 愛工大名電・倉野光生
登山が趣味の愛工大名電・倉野監督。その経験から勝利直前の厳しさを選手に訴えている(写真は2005年のもの) 【写真は共同】
その倉野監督の趣味は書道と登山。野球のシーズンオフにしか行けない登山は冬山がメインだ。携帯電話が動かなくなるほどの極寒の中、生命の危険と隣り合わせで一歩ずつ前に進む山登りは、倉野監督にとって人生の教訓になっている。
頂上が見えてくると心境に変化が現れるのが登山。同様に野球でも勝利が見えたときに心がぶれることがある。一見、共通点がないように見える登山と野球だが、実は重なる部分は大いにある。倉野監督が、登山から得た野球に活きる教訓、考え方とは?
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山小屋の手前が本当に厳しい
北京オリンピックの水泳で日本選手が金メダル2、銅メダル3の合計5つのメダルを獲得した際に注目されたことがあった。脳医学者の林成之さんが指導。選手たちに指摘したのが人間の脳についてだった。人間には自己報酬神経群があり、「できた、終わった」と思った瞬間、脳がモチベーションを失ってしまう。水泳でいえば、ゴールが目前に迫り、「そろそろゴールだ」と思った瞬間に脳は「もう頑張らなくていい」と判断するためにスピードが落ちてしまう。それがゴール前での勝負に弱い原因になっていた。ゴールをゴールと思わず、「ここからが勝負だ」と考える。ゴールよりもまだ先があるという気持ちが欠かせないのだ。
愛工大名電・倉野光生監督はその感覚を趣味の山登りで経験している。
「途中、野球でいう7回ぐらいからが体力的に一番えらい(つらい)ね。10ある行程の7ぐらい。頂上が見える手前。8になると上が見える。でもそっからがえらい。山小屋の頂上まで行く9、10が一番えらいね。(頂上が)見えたら楽勝だと思うけど、7ぐらいで体力が限界にきとるから。あれ、おかしいもんだね。『あの山小屋まで』と思うと、山小屋の手前になると本当に厳しいんだけど、(目標の)設定がもっと上のほうだったら平気でその小屋を越えていくんだね。自分の到達目標をここというふうに決めてあると、人間はそこまでが厳しい。目標が上なら簡単に越えていく。到達と思うと自然と抜くんだな。人間はそうできとる」
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