“完璧”なフォルティウス、失敗を糧にするロコ・ソラーレ 激戦の日本選手権、6チームの行方は?

竹田聡一郎

北海道銀行は安定した戦い続ける

1次リーグ最終戦は大勝で2次リーグ進出を果たした北海道銀行 【写真は共同】

 神奈川県横浜市の横浜BUNTAIで開催されている日本カーリング選手権大会横浜2025は5日までに1次リーグを消化。激戦のAブロックは北海道銀行、ロコ・ソラーレ(LOCOSOLARE)、札幌国際大学が勝ち抜いた。

 北海道銀行はロコ・ソラーレ相手に白星スタートを決めると、次戦の中部電力戦を落としたが、札幌国際大、チーム大阪との試合は終始主導権を握った。

 フォースの田畑百葉は「スイーパーに(投げた石を)持っていってもらって、いい位置に置くことができている」と安定した戦いぶりを振り返りつつ、「2次リーグに向けていい流れになっている。(2次リーグ以降は)強い相手ばかりなので、自分たちでミスをせず相手のミスの後にどれだけ自分たちがいいショットを決められるかが大切」と次戦以降を見据えた。

初戦の北海道銀行戦は落としたものその後3連勝のロコ・ソラーレ 【写真は共同】

 その北海道銀行との初戦を落とし崖っぷちとなったロコ・ソラーレは大会3日目のダブルヘッダーで札幌国際大、チーム大阪にいずれも大勝し、1次リーグ最終戦で中部電力との大一番へ。

 ロコ・ソラーレの藤澤五月、中部電力の北澤育恵のハイレベルな投げ合いをドローのショット成功率ほぼ100パーセントの藤澤が制し、ロコ・ソラーレに軍配が上がった。

 黒星を喫した初戦を含め、これまでアイスリーディングに苦しんでいたエンドもあるが、重要な一戦で一気にショットが繋がった。試合後の会見で藤澤はそれについて問われると、「なんででしょうね? 私たちがそういうチームなのかも。なかなかうまくいかない、たくさん失敗をしてそれをしっかり糧にしているチームなので、どちらかというと序盤はたくさん失敗をしてそれを次に繋げられるという点で、今のチーム状態が出ていると思う」と答えた。

 初出場の札幌国際大は北海道銀行、ロコ・ソラーレに敗れたが、初戦に中部電力に勝利。2勝2敗で勝ち星が並んだが、直接対決の結果により2次リーグ進出が決まった。

 スキップの敦賀心羽子は中部電力戦の勝利後に「挑戦者の気持ちで怖がることなく自分たちのショットを決め切ることができた」と語っていたが、今大会最年少チームが次のステージでも臆すことなく戦い抜く構えだ。

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著者プロフィール

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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