セパ補強診断ーロッテ、日本ハム、ソフトバンク編 流出の穴埋めを期待!優勝のカギを握る新戦力は?
日本ハム 評価D
【データスタジアム株式会社】
既存戦力では、達孝太や細野晴希といった近年のドラフト1位投手も控えており、昨年のドラフト会議では柴田獅子ら高校生投手を多く指名した。一方で即戦力という意味ではリリーフとして期待される明治大の浅利太門など、ピンポイントの指名にとどまっている。また、現役ドラフトでは鈴木健矢、田中瑛斗の両投手が他球団へ移籍しており、育成枠で前楽天の清宮虎多朗を獲得したものの、救援陣に明確な上積みは見られない状況だ。
一方の野手では、現役ドラフトでソフトバンクから吉田賢吾を獲得。昨季は二軍で79試合に出場して打率.303をマークしたプロスペクトで、捕手登録ながら主に一塁手として起用されていた。昨季に同じくソフトバンクから現役ドラフトで加入し、ブレークを果たした水谷瞬という好例がいるだけに、吉田にかかる期待も大きいところ。現有戦力ではレイエス、マルティネスの両助っ人が残留。特にレイエスは昨季、シーズン序盤こそ苦戦したものの、最終的にチームトップの25本塁打をマーク。後半戦だけで17本塁打を放ったことを踏まえると、NPBに適応した状態でフルシーズンを過ごせば、さらなる成績の向上も見込まれる。
日本人選手では、規定打席未到達ながら打率3割を記録した清宮幸太郎や万波中正など若手が力をつけてきている中で、今季より一層の飛躍を期待されるのが7年目の野村佑希だ。昨季は不振から一軍での出場機会を減らしたが、二軍では50試合の出場で打率.349、14本塁打と圧倒的な成績を残しており、すでに新庄剛志監督が今季の開幕4番に指名している。野手陣は投手陣以上に目立った補強がなく、現有戦力で十分に戦えるというフロントの判断か。吉田や野村以外にもブレーク候補の選手は多く控えており、彼らの活躍が優勝へのポイントとなってくるだろう。
ソフトバンク 評価C
【データスタジアム株式会社】
また22、23年と100試合以上に出場していた三森大貴をトレードで放出。昨季は三森が骨折によって2度の離脱をした中で、牧原大成が安定した活躍。1年目ながら35試合に出場した廣瀨隆太やシーズン途中に加入したダウンズも存在感を見せていた。野手陣で大きな補強はなかったものの、得失点貢献は全ポジションでプラスを記録しており、現有戦力で十分戦えるという算段ではないだろうか。
一方、チームの得失点貢献で唯一マイナスを記録していた先発陣では、石川柊太がFA権を行使してロッテへ移籍。昨季は大津亮介とモイネロの先発転向もあって出番を減らしていたものの、先発もリリーフもこなせる貴重な存在であったことは間違いない。現役を引退した和田毅も、昨季は8試合の登板にとどまったものの、その存在がチームにとって大きかったことは言うまでもないだろう。
そんな先発陣の埋め合わせとして真っ先に名前が挙がるのは上沢直之だ。23年オフに日本ハムからポスティングシステムでメジャーに挑戦したものの、昨年9月に右肘を痛めて帰国。わずか1年での日本球界復帰となったが、NPB通算70勝を誇る右腕の加入はチームにとって心強い。また、現役ドラフトで上茶谷大河、トレードでは濵口遥大をいずれもDeNAから獲得。上茶谷は近年リリーフで起用されていたが、小久保監督は濵口とともに先発での起用を明言している。さらにFA移籍した甲斐の人的補償で巨人から伊藤優輔が加入。昨季一軍デビューを果たした右腕で、二軍では40試合の登板で防御率1.29の好成績を残した。移籍後は先発での起用が見込まれており、DeNAから獲得した2名とともにローテーション争いに加わるだろう。追加補強の余地を残していた先発陣に実績のある新戦力と期待のホープを迎え、より隙のないチーム編成とした。