メジャーチャンプを大々的に賞賛する欧米文化が日本で! 全米女子OP覇者・笹生優花が日本で実施した「トロフィーツアー」の意義
「トロフィーツアー」を行った笹生優花 【写真提供:全米ゴルフ協会(USGA)】
トロフィーツアーとは?
日本ではあまり馴染みのないこの催しは、欧米では一般的だ。例えばライダーカップで優勝した欧州チームの選手が、トロフィーとともに母国で勝利を祝う事例などがある。またゴルフ以外でも、サッカー、アイスホッケー、ラグビー、バスケットボールなどでは、トロフィーが世界中を回るイベントを行っており、イングランドサッカーのプレミアリーグで4連覇を果たしたマンチェスター・シティが日本の東京で今年9月に「トロフィーツアー」を実施している。また、優勝チームの選手の故郷などでトロフィーを披露するイベントが数多く開催されている。
USGAがトロフィーツアーを企画した狙い
初めて「トロフィーツアー」を開催したのは2019年イ・ジョンウン6が優勝したときだった。当時、イ・ジョンウン6の父親が身体的な理由でアメリカに来られなかったため、家族と一緒に母国で祝うことができた。
2021年に優勝した笹生はコロナ禍の中当時の国籍だったフィリピンに戻り、「自分が育った場所で、アマチュアの頃からずっと一緒だった方たちと一緒にトロフィーを見られたのですごく良かった」と話す。
米国では当たり前の国を挙げての祝福の文化
近年、日本人メジャーチャンピオンが続々と誕生している。男子では2021年にはマスターズで松山英樹が優勝を果たした。女子では2019年には渋野日向子が全英女子オープン、そして今年は全米オープンで笹生優花が優勝し、アムンディ・エビアン選手権では古江彩佳が勝利した。
一方、日本ではゴルフのメジャーチャンピオンを祝福する文化がまだ十分に根付いていないように思える。例えば、オリンピックのメダリストがテレビ番組に多数出演するのに対し、ゴルフのメジャー優勝者が同様の扱いを受けることは少なかった。