秋季関東大会は横浜、東海大相模が双璧 センバツ連覇がかかる健大高崎などが神奈川勢を追う
甲子園経験者が多く残る東海大相模は戦力が充実。エース右腕の福田は夏と比較して完成度が高まった印象だ 【写真は共同】
※丸数字は県大会の順位
茨城:つくば秀英①、霞ヶ浦②
栃木:佐野日大①、宇都宮工②
群馬:健大高崎①、東農大二②
山梨:山梨学院①、帝京第三②
埼玉:浦和実①、西武台②
千葉:千葉黎明①、拓大紅陵②
神奈川:横浜①、東海大相模②、平塚学園③
横浜、東海大相模とも投打に戦力が整う
2019年以来のセンバツ出場を目指す横浜。チームを束ねる主将の阿部は、リードオフマンとして打線も引っ張る 【YOJI-GEN】
横浜は昨夏、今夏と2年連続県決勝で敗れた。「春こそは甲子園へ」と期待しているファンも多い。秋の県初戦(2回戦)の会場は自校の長浜グラウンドだったが、鈴なりの観客が詰めかけた。
旧チームからのレギュラーも多く、投打に戦力が整っている。先頭に立つのは2年生の5月より主将を任された阿部葉太(2年)だ。今夏、5割以上の打率を残した巧みなバットコントロールに加え、驚異の脚力を走塁とセンターでの守備で発揮している。打線は為永皓(2年)にも注目だ。東海大相模との秋の県決勝ではホームランを含む2安打2打点をマークした。
投手は今春から名門・横浜のエース番号を背負う左腕・奥村頼人(2年)が柱。1年生右腕の織田翔希もストレートの伸びに定評がある。
横浜と双璧なのが東海大相模だ。今夏の甲子園でベスト8を経験した選手が投打ともに残っている。秋からエースとなった184センチ右腕の福田拓翔(2年)は、聖地で準々決勝のマウンドにも立った。また、打線の中軸を担う中村龍之介(2年)と金本貫汰(2年)は甲子園でもクリーンナップを打っている。投打の柱の経験値が高いのは大きなアドバンテージになろう。
福田は最速150キロのストレートが武器だが、秋はスライダーなどの変化球を上手く使い、「大人の投球」を見せている。平塚学園との県準決勝では1失点完投。「関東の切符」獲得に貢献した。続く決勝では5投手が登板。福田以外の投手が束になって勝ちにいく姿勢を見せた。
5年ぶりの夏春連続甲子園出場へ。今年は春、夏と宿敵・横浜に勝つも秋はリベンジされた格好になり、その悔しさも糧にする。
健大高崎、霞ヶ浦、山梨学院は甲子園経験者が牽引
健大高崎は同じく夏の甲子園に出場した霞ヶ浦と初戦で激突。センバツ優勝投手の佐藤は不在も、実績抜群の石垣(写真)に加え左腕の下重も計算できる 【写真は共同】
秋の県3連覇を果たした健大高崎は、8月末にトミー・ジョン手術を受けた左腕の佐藤龍月(2年)を欠くも、最速154キロ右腕の石垣元気(2年)が健在。春、夏の甲子園で計7試合に登板し、防御率は1.64と抜群の実績を誇る石垣がチームを引っ張る。投手は他に、県決勝で1失点完投の左腕・下重賢慎(2年)もおり、計算が立つ布陣だ。
打線では中軸に座る秋山潤琉(2年)の長打力が光る。東農大二との県決勝では2打席連続本塁打を放った。
霞ヶ浦は市村才樹(2年)と片見優太朗(2年)のバッテリーが残っていて心強い。188センチ左腕の市村は夏の甲子園2回戦で、強打の智弁和歌山を相手に持ち味の緩急を使い、7回まで3安打無失点と好投した。
野手も上位を打つ鹿又嵩翔(2年)と大石健斗(2年)はスタメンで甲子園を経験している。
今春のセンバツでベスト8の山梨学院は4年連続11回目の出場。県大会では山梨県史上初の秋4連覇を成し遂げた。
山梨学院も甲子園経験者が多く残っているのが強み。センバツでも4番に座った梅村団(2年)に加え、遊撃の萬場翔太(2年)と一塁の横山悠(2年)も聖地でレギュラーとしてプレーした。投手ではセンバツ3試合全てで先発を経験した津島悠翔(2年)が健在。両コーナーに丁寧に散らしながら打たせて取る投球が特徴だ。菰田陽生、藤田蒼海ら1年生投手の台頭も頼もしい。