三好康児が27歳にしてたどり着いた5大リーグ フィジカルコンタクトに負けなくなった“変化のワケ”
大事なのは「気持ちの持ちよう」
高強度のプレーを要求されたバーミンガム時代の経験が、今に生きている。小柄なテクニシャンは、多少のフィジカルコンタクトには負けない強さを手に入れた 【Photo by Matthew Lewis/Getty Images】
「逆にそれがいいというか、僕みたいな選手がいることによって、少し攻撃の部分でアクセントを加えられたり、チームに自信を持たせられるのかなと。インテンシティのところで言えば、これだけのトランジションの戦いというのはけっこうイギリスでもあった。チャンピオンシップでは肉弾戦みたいな試合もありましたしね。それよりもチームメイトにはクオリティがあるし、ボールを持てる、ボールを出せる選手がいて自分的にはやりやすさがある。自分の良さをもっと出せるかなと手応えは感じています」
こうした言葉一つひとつを聞いても、多くの経験を重ね、一歩一歩前進してきたことが分かる。昔から言語化能力の高さは感じていたが、その言葉に強さが加わった感じがした。ドイツのトップチームの1つであるドルトムントとの試合(第5節/2-4で敗北)を終えた後のコメントからも、たくましさが伝わってきた。
「(ドルトムントには)実力のある選手はいると思いますけど、絶対に勝てないかといったらそんなこともない。気持ちの持ちようが大事かなと。このチームは昨シーズンもそうですけど、(近年は)残留争いをしていることもあってちょっと自信がないのかなと思ってしまう。練習をやっていてもメンタリティ的な部分で、もっとできるのになって思うところがあって、そこはちょっともったいないと」
27歳にして巡ってきたチャンスの先に
21年の東京五輪ではグループリーグのフランス戦でゴールを挙げるなど印象的な働き。同世代の堂安(10)らからはやや後れを取ったが、ここからの巻き返しに期待だ 【写真は共同】
「やはりブンデスでやるというのは僕の夢の1つでもあった。今回こういうチャンスが巡ってきたことを考えても、そこは自信を持ってできる部分でもあるし、楽しみな部分でもある。ここでやれる楽しみを感じています」
だから、あらためて聞いてみたかった。ここまでキャリアを積んできたなかで、ここから何を成し遂げたいのか、を。
「まずはこのチームで目標とするところで言えば、残留になりますけど、そこはしっかり達成したい。あとは、やはりあらためて自分、三好康児という選手をすごく世界に広められる舞台だと思っているんです。今までのキャリアの中でもここは最高峰のレベルだと思いますし、そういったところで自分に何ができるかというのをしっかり証明したいです」
トレーニング中の負傷もあり、まだまだ多くの試合に出場できているわけではない。それでもチーム状況を考えれば、いずれ遠くないうちにスタメン起用は増えてくるだろう。そこでどんなパフォーマンスを残せるか。27歳にして巡ってきたトップリーグでのチャンス。その機会を逃さず、確かな結果を残したとき、彼の目線の先に映る日本代表の舞台が待っているはずだ。
(企画・編集/YOJI-GEN)