際立っていたNo.6鎌田の出足の速さ 三笘のすごさが凝縮された絶品ファーストタッチ
鎌田はマンU戦でプレミア初のフル出場。本職のトップ下ではなく、2センターハーフの一角で奮闘した 【Photo by Sebastian Frej/MB Media/Getty Images】
三笘の言葉通りの資質を見せた鎌田
今季初めて鎌田大地の試合に出かけた。試合後の取材が楽しみだった。
相手は強豪マンチェスター・ユナイテッド。前節のレスター戦がベンチスタートだったので、まずは先発してくれと願った。キックオフ1時間前に配布されたチームシート(先発メンバー表)に「Daich Kamada」の名前を見つけた。第一関門突破。結果は0-0のドロー。負けはしなかった。そして鎌田はこの試合でクリスタルパレス移籍後初となる90分フル出場を果たした。
よし! これで話ができる!
試合後、取材ができる条件は整っていたはずだった。しかし28歳の日本代表MFはミックスゾーンに姿を現さず、筆者は無念の思いでクリスタルパレスの本拠地セルハースト・パークを後にした。
冒頭のコメントはその翌日にブライトン戦を取材して、三笘薫が語った鎌田評である。鎌田はマンチェスター・U戦で三笘が発言した通りの資質を見せた。
鎌田は左右に動いて最終ラインの左半分をプロテクト
前半はほぼ防戦一方。鎌田は中盤の底で守備に追われたが、自分がやるべき仕事をしっかりこなしてマンUにゴールを許さなかった 【写真:ロイター/アフロ】
完全なるNo.6。守備面の負担が大きい役割だった。
前半を見て、不安を抱いた。というのも筆者の鎌田のイメージは攻撃的センスのあるMFで、トップ下が最適のポジションだと思っていたからだ。それまでに鎌田を生で観たのは、フランクフルト時代の2022年10月12日に行われたトットナムとの欧州チャンピオンズリーグ。鎌田はトップ下に入り、ゴール前に飛び込んで見事な先制点を奪っていた。
それなのにこの試合では中盤の底までポジションを下げ、近年は不振とはいえ、スピード、フィジカル、スキルの三拍子揃ったマンチェスター・U攻撃陣と対峙しなくてはならない。
しかも相手は開幕4戦で早くも2敗を喫し、エリック・テン・ハグ監督に多大な重圧がかかっている。つまり勝とうと必死なのだ。
案の定、マンチェスター・Uは前半4分にこの試合初のコーナーキックを奪い、今夏バイエルン・ミュンヘンから加入したオランダ代表DFマタイス・デ・リフトが頭を合わせて枠を捉えると、同10分にはスルーパスに抜け出したアレハンドロ・ガルナチョが左足を振ってオン・ターゲットのシュートを放った。
この2本の危険極まりないシュートはマンチェスター・Uユース出身で、昨夏にクリスタルパレスに完全移籍したGKディーン・ヘンダーソンが見事にセーブ。しかしこの幕開けが象徴するように、前半はマンチェスター・Uが完全に試合を支配した。
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