陸上5000m・唐澤剣也、世界記録を更新も“2度目の銀” 3年間で埋まった「距離」とロスへの伸びしろ

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2大会連続銀メダルを獲得した唐澤 【写真は共同】

 30日(現地時間)からスタートしたパリパラリンピックの陸上競技、トラック種目の1番手は男子5000m決勝(視覚障害T11)。東京五輪で銀メダル、今年5月に神戸で行われた世界選手権では銅メダルを獲得した唐澤剣也と、東京五輪で銅メダルを獲得した和田伸也が出場し、唐澤が2大会連続となる銀メダルを獲得、和田は4位だった。
 
 唐澤は自己ベストを更新し、レース前の世界記録も更新する14分51秒48を記録。それでも金メダルに届かなかった。しかし、東京大会と比べて金との距離は縮まっていると話し、早くもロス大会を見据えた。

3選手が従来の世界記録を更新する、ハイレベルなレースに

金メダルのアグリピノドスサントス(ブラジル) 【Photo by Ezra Shaw/Getty Images】

 レースは5月の世界選手権と同様に、金メダルを獲得したジュリオセザール・アグリピノドスサントス(ブラジル)が前半から先頭に立つ展開に。唐澤はアグリピノドスサントスの後ろに付きながら「ペースによっては先頭に出たい」とプランを練り、実際に何度か仕掛けたが、外から抜こうとする度にペースを上げて防がれ、前に出ることはできなかった。

 そこでも「ラストスパートに強い選手もいるので、中盤で足使ってしまうとラストの勝負に負けてしまう。無理せず付こうという判断をしました」と、着実に2位をキープして、ラストの勝負に備えた。

 3000mを超えた所で、唐澤のガイドランナーが清水琢馬さんから小林光二さんにスイッチ。残り1週付近までアグリピノドスサントスに迫り、小林ガイドも声をかけ続けたが「スパートの足が残ってなかった」と追いつくことはできなかった。それでも世界選手権を制したイエルトシン・ジャックス(ブラジル)の猛追を交わし切って、銀メダルに輝いた。

「絶好の5000m日和」と和田が表現したように、この日のレースはハイペースで、上位3選手が従来の世界記録を更新。金メダルのアグリピノドスサントスは14分48秒85と、5秒以上レコードを縮めた。

 唐澤も世界記録を更新したが、金メダルには届かなかった。「全力を出し切ったので、悔いのないレースができた部分では、自分自身、今日はよかったのかな」と振り返ると同時に「(世界記録を)更新すれば金メダルも見えてくると思っていたので、そこのタイムを目標としていたが、さらに世界が上を行ったというところだと思う」と悔しさをにじませた。

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