陸上5000m・唐澤剣也、世界記録を更新も“2度目の銀” 3年間で埋まった「距離」とロスへの伸びしろ
2大会連続銀メダルを獲得した唐澤 【写真は共同】
唐澤は自己ベストを更新し、レース前の世界記録も更新する14分51秒48を記録。それでも金メダルに届かなかった。しかし、東京大会と比べて金との距離は縮まっていると話し、早くもロス大会を見据えた。
3選手が従来の世界記録を更新する、ハイレベルなレースに
金メダルのアグリピノドスサントス(ブラジル) 【Photo by Ezra Shaw/Getty Images】
そこでも「ラストスパートに強い選手もいるので、中盤で足使ってしまうとラストの勝負に負けてしまう。無理せず付こうという判断をしました」と、着実に2位をキープして、ラストの勝負に備えた。
3000mを超えた所で、唐澤のガイドランナーが清水琢馬さんから小林光二さんにスイッチ。残り1週付近までアグリピノドスサントスに迫り、小林ガイドも声をかけ続けたが「スパートの足が残ってなかった」と追いつくことはできなかった。それでも世界選手権を制したイエルトシン・ジャックス(ブラジル)の猛追を交わし切って、銀メダルに輝いた。
「絶好の5000m日和」と和田が表現したように、この日のレースはハイペースで、上位3選手が従来の世界記録を更新。金メダルのアグリピノドスサントスは14分48秒85と、5秒以上レコードを縮めた。
唐澤も世界記録を更新したが、金メダルには届かなかった。「全力を出し切ったので、悔いのないレースができた部分では、自分自身、今日はよかったのかな」と振り返ると同時に「(世界記録を)更新すれば金メダルも見えてくると思っていたので、そこのタイムを目標としていたが、さらに世界が上を行ったというところだと思う」と悔しさをにじませた。