『甲子園優勝監督の失敗学』

花咲徳栄・甲子園Vの裏に選手の自立あり 決勝で広陵・中村奨成に真っ向勝負を指示した理由

大利実
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【写真は共同】

負けたときにしか人は変われない。失敗を経て頂点に辿り着いた名将たち

仙台育英・須江航監督も、慶應義塾・森林貴彦監督も、甲子園を制した誰しもが、忘れられない失敗を経験していた。そこから何を学び、克服して、日本一まで上り詰めたのか。初めて明かされる名将の失敗学とは? 『甲子園優勝監督の失敗学』(大利実著)から2017年に埼玉県勢として初めて夏の甲子園を制した花咲徳栄高・岩井隆監督について記事を一部抜粋して公開します。

自立した集団だからこそ勝てた東海大菅生との激戦

 甲子園に入る前には、新たな試みを取り入れた。

「甲子園ってどんな舞台?」をテーマに、選手主導で考えを出し合った。

「想像させたかったんです。3年連続となれば、ある程度はわかっていることもある。選手からいっぱい言葉が出てきて、それを箇条書きで書き出して、いい時間になりました」

 想像することによって思考が膨らみ、戦いのイメージが湧く。3年連続出場のアドバンテージがそこにはあった。

 コンディションの調整も、塚原謙太郎トレーナーと相談をしながら、今までとは違う入り方をした。
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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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