『甲子園優勝監督の失敗学』

小倉全由監督が今も悔いる斎藤佑樹との戦い 早実対日大三、3度目の勝負は最高の決勝に

大利実
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【写真は共同】

 負けたときにしか人は変われない。失敗を経て頂点に辿り着いた名将たち

 仙台育英・須江航監督も、慶應義塾・森林貴彦監督も、甲子園を制した誰しもが、忘れられない失敗を経験していた。そこから何を学び、克服して、日本一まで上り詰めたのか。初めて明かされる名将の失敗学とは? 『甲子園優勝監督の失敗学』(大利実著)から日大三高を長年指導し、今年は侍ジャパンU-18代表を率いる小倉全由監督について記事を一部抜粋して公開します。

指導者人生でもっとも悔いが残る敗戦─斎藤佑樹との戦い─

――長い指導者人生の中で、忘れられない敗戦はありますか?

「斎藤佑樹くんとの決勝ですね」

 即答だった。

 2006年夏の西東京大会決勝、斎藤佑樹(元日本ハム)がいた早稲田実と延長11回にもつれ込む熱戦の末、4対5でサヨナラ負けを喫した。10回表に日大三が1点を勝ち越し、甲子園を手繰り寄せたかのように思えたが、10回裏に追い付かれ、11回裏に力尽きた。

「西東京大会史に残る最高の決勝戦」という声もあるほど、中身の濃い一戦だった。日大三を下した早稲田実は、夏の甲子園で全国制覇を達成。だからこそ、余計に悔しさが募る。
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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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