高校野球激戦区 神奈川から頂点狙う監督たち

監督の役目は「プロデューサー」 慶應高・森林監督が認めた“人間性主将”とメンタルトレーニングの力

大利実
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【写真提供:カンゼン】

 優勝争いの中心にいる横浜、東海大相模、慶應義塾、桐光学園。常連校の壁に挑む相洋、横浜隼人、横浜創学館、日大藤沢、桐蔭学園。革命を起こす準備を進める立花学園。古豪復活へ力をつける武相。旋風を狙う県相模原、横浜清陵、川和、市ケ尾。

 選手にさまざまな個性があるように、監督にもさまざまな色がある。夏の勝者はわずかに1校。全国屈指の激戦区・神奈川で互いに切磋琢磨しながら鎬を削る監督たちの熱い想いを一冊にまとめた書籍「高校野球激戦区 神奈川から頂点狙う監督たち」(大利実著)から、慶応高校の森林貴彦監督について記事を一部抜粋して公開します。

東海大相模、横浜を破ったことが大きな自信に

「日本一を目指しているので、あと2つではなく、あと8つぐらいだと思っています」

 昨夏の神奈川大会、準々決勝直後のこの言葉は、大会史に残る“名言”だと思っている。

 その話を森林監督に振ると、「ずっと言おうと思っていたわけじゃないですよ」とにこやかに笑った。

「準決勝まで勝ち上がって、ここから東海大相模や横浜と当たるかもしれない。神奈川で高校野球をやっているものとして、『ここまで来たら本望』みたいな気持ちが生まれてもおかしくないところです。でも、うちが目指していたのはその先にある日本一。『あと2つですね』と聞かれたので、『いやいやいや、まだこれからですよ』という気持ちが言葉になりました」
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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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