松井の記録に並び、抜いたことは「日本球界にとって大きい」 大谷が考える日本人打者の可能性とは?
本塁打は打撃の可能性を広げる
昨年9月に行われたヤンキースOBが集う恒例行事「オールドタイマーズ・デー」で、ファンに応える松井秀喜さん。言わずと知れた、日本人パワーヒッターのパイオニアだ。 【Photo by Jim McIsaac/Getty Images】
本塁打の位置づけに関しては、「バッティング自体は、可能性を広げていく作業」とも話した。
「フォアボールもあるし、単打もあるし、二塁打もあるし、ホームランもある。可能性を広げるなかで、ホームランがあるかないかでは、相手にかかるプレッシャーも違う。来るボール自体にも多少は影響を出せるので、そういう意味では大事。自分の長所でもあるので、大事にしていきたい」
もちろん、だからといって誰もが大谷に続けるわけではない。しかし、誰かが超えていかなければ、レッテルは貼られたままである。ひいては二刀流も同じこと。大谷が失敗していたら、ジャイアンツが2022年、23年と、2年連続で二刀流選手を1位で指名することはなかった。今年のドラフトで1巡目——トップ5での指名が有力視されるフロリダ大のジャック・カグリオーンが、メジャーリーグで二刀流を目指すこともなかったのではないか。
「日本の野球界にとっても大きいこと」
ずっと靄のかかっていた言葉が、すっと腑に落ちた。