大会直前に大誤算が生じたU-23韓国代表 パリ五輪出場へ白星発進もメディアが指摘する「不安」とは?
「クロス→ヘディング」のワンパターンでは日本には勝てない
初戦を白星で飾った韓国だが、国内ではネガティブな報道が目立った。OSENが指摘したのが「クロス→ヘディング」ばかりの単調な攻撃。終了間際に生まれた唯一の得点も、コーナーキックをイ・ヨンジュンがヘッドで押し込んだ 【Photo by Zhizhao Wu/Getty Images】
なかでも、スポーツメディア『OSEN』は「“クロス→ヘディング”のワンパターンで勝利したファン・ソンホン号、UAEは破ったが日本と中国相手にはどうするのか」と見出しを打ち、クロス主体の単調な攻撃を指摘。「ある意味“ワンパターン”が通用して勝利したわけだが、よりレベルの高い相手には通用しないだろう。特に日本のようなチームには、“このような攻めが効かないはずだ”という疑問が生じる試合だった」と伝えた。
他には『SPOTV NEWS』が「これで“韓日戦”に勝てるのか」と報じていたが、やはり韓国でも注目を集めるのが最終節の日本戦だ。実際、試合に臨む選手たちもライバル対決への思いは強いようで、韓国サッカー協会(KFA)テクニカルリポートによるアンケートでは、今大会の代表メンバー全員が「最も勝ちたい相手」という設問に「日本」と答えている。
大会前までの取材対応でも、MFホン・ユンサン(浦項スティーラーズ)は「日本に負けた経験は多いが、今度こそ必ず勝利したい」と強調。杭州アジア大会決勝で日本と対戦した副キャプテンのDFファン・ジェウォン(大邱FC)は「日本は強い相手だが、アジア大会決勝で勝利している。今回も自分たちが十分勝てるという自信がある」と言い、FWアン・ジェジュン(富川FC 1995)も「日本との試合は面白くなる。負ける考えはない」と力強く語った。
男子サッカーを韓国スポーツ界「最後の希望」と呼ぶ声も
10大会連続となる五輪出場は、韓国にとって至上命題だ。ファン・ソンホン監督は「目標は当然、優勝だ」と宣言 【Photo by Zhizhao Wu/Getty Images】
ファン・ソンホン監督自身、2022年の前回大会では2歳下のU-21日本代表に0-3と完敗し、準々決勝で敗退するという屈辱を味わっている。今回は第2節の結果次第で、最終節前に日韓両国が決勝トーナメント進出を決めている可能性もあるが、それでも「ライバルに負けるわけにはいかない」と韓国陣営も考えているはずだ。
選手の兵役問題もかかわるパリ五輪出場は、韓国にとって“至上命題”。今回の五輪では女子サッカーや男女バスケなど球技種目で軒並み出場を逃しているため、男子サッカーを韓国スポーツ界「最後の希望」と呼ぶ声もある。
韓国を発つ前、「10大会連続五輪出場を成し遂げて帰ることができるよう、代表メンバー全員で渾身の力を尽くす。目標は当然、優勝だ」と指揮官は宣言した。国の期待を一身に背負う“ファン・ソンホン号”は、カタールの地で五輪の切符をつかみ取ることができるだろうか。
(企画・編集/YOJI-GEN)