宗山ら侍ジャパン選出の4人だけじゃない!「大学生のドラフト候補10傑」

西尾典文

篠木健太郎(法政大/投手/木更津総合)

【評価】ドラフト上位候補

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 高校時代から関東では屈指の実力を誇ると言われた右腕。大学進学後にフォームの躍動感が大幅に増し、ストレートもコンスタントに150キロを超えるまでとなって、2年時には早くも大学日本代表入りを果たしている。

 少しリズムが単調になり、スピードの割に痛打される場面も目立つが、昨年春の東京六大学野球リーグでは防御率0.68と見事な数字を残した。秋のリーグ戦では肩を痛めて成績を落とし、12月の大学日本代表候補合宿でも本調子からは程遠い投球内容だっただけに、今春に完全復調を遂げて再アピールしたい。

徳山一翔(環太平洋大/投手/鳴門渦潮)

【評価】ドラフト上位候補

伸びのあるストレートに、チェンジアップやスライダーを織り交ぜて打者を手玉に取る。制球とスタミナに課題を残すが、大学生サウスポーでは金丸に次ぐ存在だ 【写真は共同】

 地方リーグの中国地区大学野球リーグで注目を集める本格派サウスポー。全国デビューとなった2年秋の明治神宮大会で国際武道大を相手に7回までノーヒットピッチングを披露すると、その後も順調に成長してリーグを代表する存在となった。

 力強い腕の振りから繰り出す150キロを超えるストレートは数字以上の威力があり、空振りを奪えるのが魅力。コントロールはややアバウトなところがあるものの、ブレーキの効いたチェンジアップという武器もある。大学生サウスポーでは金丸に次ぐ存在であり、今年の投球次第では1位指名も十分に狙えるだろう。

寺西成騎(日本体育大/投手/星稜)

【評価】ドラフト上位候補

かつて“スーパー中学生”と騒がれた大型右腕が、右肩の手術と長いリハビリを乗り越えて復活を遂げた。大学ラストイヤーはまだ一度もない完投、完封が目標だ 【写真は共同】

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 中学時代から評判の大型右腕で、奥川恭伸(ヤクルト)の1学年下だった星稜でも1年生から甲子園のマウンドに立つなど将来を大いに嘱望されたが、3年時は右肩の故障で公式戦に一度も登板することなく高校野球生活を終えている。

 それでも日本体育大に進学すると、3年春に復活。5勝0敗、防御率0.31という圧巻の投球でチームを首都大学野球リーグ優勝に導き、MVPも受賞した。完成度の高い安定したフォームから150キロに迫るストレートをコーナーに投げ込み、140キロ台のスピードで鋭く落ちるスプリットも必殺のボールだ。この春は調整が遅れているとのことだが、本来の実力を発揮できればドラフト上位指名の可能性は高い。

佐々木泰(青山学院大/三塁手/県岐阜商)

【評価】ドラフト上位候補

一時はフォームを崩していたが、大学生では頭1つ抜けた長打力は大きな魅力。青学大の新主将は、昨年超えの“大学4冠”を達成してプロの世界に飛び込みたい 【写真は共同】

 県岐阜商時代から注目度の高かった強打のサードは、大学でも1年春にいきなり4本塁打を放って、スカウト陣やプロ関係者を驚かせた。その後は厳しいマークもあってなかなか打撃成績は安定しないものの、3年秋までに東都大学野球リーグで現役トップの通算11本塁打を放つなど、その長打力は大きな魅力である。昨年の全日本大学野球選手権では反対方向のライトにホームランを放ち、成長ぶりを示した。

 チームメイトの西川に立場的には抜かれた印象だが、サードを守れる強打者というのは大きな評価ポイント。最終学年は課題である確実性の向上を目指したい。

麦谷祐介(富士大/外野手/大崎中央)

【評価】ドラフト上位候補

3年秋には青学大の常廣(現広島)から逆方向にホームランを放つなど、広角に長打を飛ばせる。本人も自信があるという肩と足はすでにプロで通用するレベルだ 【写真は共同】

 ドラフト戦線に急浮上してきた地方リーグ(北東北大学野球リーグ)の外野手だ。高校時代から特筆すべきスピードの持ち主ではあったものの、打撃面はそれほど目立つ選手ではなかった。しかし、大学入学後にパワーアップを果たし、昨年は下村海翔(阪神)、常廣羽也斗(広島)という2人のドラフト1位投手から全国大会でホームランを放った。

 リストの強さが抜群で、少しタイミングを外されても広角に強烈な打球を飛ばせる。元々の持ち味であるスピードにも磨きがかかり、センターの守備範囲は広大だ。昨年のような活躍を今年も全国の舞台で見せることができれば、上位指名も十分にあるだろう。

(企画・編集/YOJI-GEN)

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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